自己学習のススメ
この連載では、パブリッククラウドの概念から、 Azureの歴史と主要なサービスの紹介、IaaSとPaaSを中心とした主要なサービスの入門的な利用方法について解説してきました。
Azureにはあまりにも多くのサービスがあり、日々、新しいサービスや機能が追加されています。一方で廃止や変更となるサービスや機能も多く、そのすべてをキャッチアップしていくことは不可能に近いことです。入門という位置付けのこの連載の役割は果たせたと考えています。
最終回となる今回は、Azureを自分で学ぶのに適した無料のオンラインリソースを紹介します。興味のあるものについてより深く学びたい、あるいは業務に必要なスキルを効率よく手に入れたいという場合に活用してください。
Azureサイトの歩き方
「○○の歩き方」という旅行ガイドブックがありますが、「Azureサイトの歩き方」はさまざまな場所に分散するAzure関連情報へのリンクをまとめた、日本だけのAzureの情報ポータルです。このサイトをチェックすれば、パブリッククラウドの概念やAzureの基本情報、Azureの活用事例、コスト計算、ビデオ、ホワイトペーパー、セミナー、トレーニング、その他のイベント情報など、さまざまなリソースをすばやく見つけることができるでしょう。
MPN Japan制作の無料動画「はじめてシリーズ」
マイクロソフトパートナーネットワーク(MPN)は、マイクロソフトの製品やサービスを利用してビジネスを行うパートナー企業向けのサービスプログラムです。このMPNの日本チーム(MPN Japan)が制作したビデオ「はじめてシリーズ」動画は、マイクロソフトの製品やサービスの機能や技術を分かりやすく簡潔に解説する動画であり、YouTubeで無料公開されています。
Azureに関連する動画としては、次のようなものがあります。
- はじめてのAzure仮想マシン
- はじめてのAzureストレージ
- はじめてのAzure SQL Database
- はじめてのAzure仮想ネットワーク
- はじめてのAzure App Service
- はじめてのAzure Functions
- はじめてのAzureセキュリティ
- はじめてのAzure Site Recovery
- はじめてのAzure Backup
サンドボックス環境で実際に試しながら学べる無料のMicrosoft Learn
Microsoft Learnは、マイクロソフトの製品やサービス、アプリケーション開発のスキルアップやマイクロソフト認定資格のための学習ができる、無料のオンライントレーニングです。
トレーニングは、テキストやビデオだけでなく、Microsoft Learnサンドボックスというハンズオン環境を含むものが用意されており、実際に製品やサービスを操作しながら学ぶことができます。Azureに関するトレーニングも充実しています。
Azure無料アカウントをサインアップすれば、1カ月間、200ドル相当のAzureクレジット枠内(2019年8月時点では2万2500円)でAzureのほとんどすべてのサービスを試用でき、サインアップ後1年間は一部の有料サービスを無料で利用できるという特典があります。
Azure無料アカウントは、Azureを始める、あるいは試用するのに適していますが、サインアップにはクレジットカード情報の入力が必要です。そのクレジットカードは、以前にAzure無料アカウントのサインアップに使用したことのないものである必要があります。
一方、Microsoft Learnサンドボックスは、クレジットカード情報の入力なしでアクティブ化でき、制限時間付き、許可された範囲で本物のAzureポータル機能やサービスを操作することができます。
著者プロフィール
山市良
Web媒体、IT系雑誌、書籍を中心に執筆活動を行っているテクニカルフリーライター。主にマイクロソフトの製品やサービスの情報、新しいテクノロジを分かりやすく、正確に読者に伝えるとともに、利用現場で役立つ管理テクニックやトラブルシューティングを得意とする。2008年10月よりMicrosoft MVP - Cloud and Datacenter Management(旧カテゴリ: Hyper-V)を連続受賞。ブログはこちら。
主な著書・訳書
「インサイドWindows 第7版 上」(訳書、日経BP社、2018年)、「Windows Sysinternals徹底解説 改定新版」(訳書、日経BP社、2017年)、「Windows Server 2016テクノロジ入門 完全版」(日経BP社、2016年)、「Windows Server 2012 R2テクノロジ入門」(日経BP社、2014年)などがある。