2018年1月17日~19日にかけて東京ビッグサイトにて開催されている「第10回 オートモーティブワールド(オートモーティブワールド2018)」においてInfineon Technologiesの日本法人であるインフィニオン・テクノロジーズ・ジャパンは、センサ、パワー半導体、セキュリティといった幅広い車載製品の紹介を行っている。
同社のVice President,Head of Automotive Systems GroupであるHans Adlkofer氏によると、「自動車のエレクトロニクス化や自動運転技術の発達、IoT化といったトレンドにより半導体の消費量は増加している。車載用途に向けて40年にわたって半導体を提供してきた我々のシェアもそれにともない増加傾向にあり、市場の伸び以上の成長を近年は達成している」とし、成長分野である電動化、ドライブアシスト、ネットワークへのセキュアな接続といったところにセンサ、マイコン、パワー半導体などを中心に注力していくことで、継続した成長を目指していくとしていた。
そのため、同社ブースも、そうしたコンセプトを色濃く表したものとなっていた。例えばレーダー関連では、同社が強い77/79GHzレーダシステムチップセットソリューションの評価ボードやチップセットそのものの展示が行われていた。
「我々は同分野に対し、すでに5000万個のチップセットの提供を達成している。24GHzレーダも含め、用途に応じて、さまざまなデバイスを提供していく用意がある」(同)とし、今後も、自動車の進化に応じたレーダソリューションの提供を行っていくことを強調した。
また、xEVのメインインバータ向けに、独自のパッケージ技術「HybridPACK」を用いた「HybridPACK DRIVE評価キット」のデモも展示。同氏によると、「Infineonとしては、内燃機関から電動化へと歩を進めたい」との考えを有しているとのことで、そのために重要となるパワーモジュールについては、もっとも注力する分野の1つとする。
「シリコンによるパワー半導体のみならず、SiCも量産に向けた準備が進められている。また、我々の強みは、半導体技術のみならず、パッケージ技術でもイノベーションを生み出している点であり、それにより、メーカーのコンポーネントの高性能化と小型化という相反するニーズへの対応を実現していく」(同)としていた。
加えて、同社はセキュリティでも複数の国の電子パスポートに採用されるなど、高い信頼性を有しており、そうした技術的背景を武器に、自動車でのセキュリティの確保に向けたアプローチを進めている。大きなところではTPMを用いたソリューションがあるが、今回の同社ブースでは、そのほか、パートナーであるTrilliumのソフトウェアベースのセキュリティソリューション「SecureCAR」とマイコン内蔵セキュリティモジュール(HSM)を組み合わせたセキュアCANコミュニケーションのデモも行われていた。
なお同氏は、「ハードウェアのみがセキュアであっても意味が無い。そうしたことを踏まえ、我々は多くのセキュリティソフトウェアベンダとパートナーシップを締結しており、トータルでのセキュアソリューションの提供を目指している。とはいえ、TPMの活用もそうだが、自動車はすでにセキュリティでは先行している他分野の知見を応用することが可能なポジションにおり、そうした事情を踏まえ、Infineonでは、求められるセキュリティレベルに応じる形で複数のセキュアデバイスを用意している」と、自社のセキュリティに関する考えを説明していた。