2018年1月17日~19日にかけて東京ビッグサイトにて開催されている「第10回 オートモーティブワールド(オートモーティブワールド2018)」においてウエスタンデジタル(WD)は、サンディスクブランドで現在提供している産業および自動車向けフラッシュメモリ製品の紹介を行っている。
WDは、高信頼・高品質フラッシュメモリベンダとして知られていたサンディスク(SanDisk)を買収したことで、HDDベンダからSSDやSDカードといったフラッシュメモリを活用したさまざまなソリューションの提供も行う総合ストレージベンダとなった。今回、ブースで紹介している産業機器向け、車載向け製品については、サンディスクとして提供してきたものを引き継いだものとなる。
ブースでは、2018年のSUPER GTのオフィシャルスポンサーに就任したことを受け、SUPER GTのレースカーに自社のフラッシュメモリが搭載されていることをアピールしていた。具体的には、レースカーに搭載された4台のカメラで撮影されたレース中の映像をフルHDで録画しておくことで、クラッシュなどが起きたときの事故原因の解明などに活用される予定だという。
また、高温炉(オーブン)を用いた高温環境デモも実施。オーブン内を50℃の環境に熱し、そこに入れた評価ボード上に搭載されているフラッシュメモリから、外部のモニタに映像データを映し出す、というもの。50℃とした理由は、「メモリ自体はそれ以上の温度環境にも耐えられるが、ボードの方が耐えられないため」(同社スタッフ)とのことで、基板やほかの素子が許せば、もっと高温でも動作できることを見せることも可能だという。
ちなみに、産業用/車載用SDカードと、民生向けSDカードの違いは、というと、上記のような耐環境性もさることながら、車載用途などでは内部にコントローラを有し、どの素子にどの程度の書き込みを行っているかを監視することで、長寿命を実現できるようにしている点。また、SLCでもMLCでもTLCであっても(同製品群はMLCを採用)、素子そのものには書き換え回数の寿命が存在するため、予備の素子も搭載。そのため、例えば64GB品と言っても、実はそれ以上の容量を搭載したものとなっているとのことである。