Stash 開発チームの目標のひとつは、お客様の開発チーム内のあらゆる面でのコードコラボレーションの簡単化です。インラインタイプのコメント機能や横並び差分機能により、お客様の開発チームにおける共同作業が簡単化され、さらにコードの変更に関する議論やその追跡もより簡単に行うことができるようになります。私たちは多くの機能を開発中ですが、その中で Stash 2.12 はお客様が共同作業の質を高めて重要業務に集中できるように支援することを目的としています。

Hunk マップで機動性を高めた横並び差分機能

2.11 では、横並び差分ビューを導入してコミットやプルリクエストにおけるコード変更内容を簡単に把握できるようにしました。ただし、巨大なファイルを扱う場合に横並び差分ビューではファイル内での移動が簡単ではないという問題があることを私たちは認識しています。この問題を解決するために、横並び差分機能に Hunk マップ (塊ごとに位置を表した図) を導入することにしました。Hunk マップでは、そのファイルにおける変更箇所数や変更位置がひと目で分かるようになっています。Hunk マップをクリックするだけで変更箇所まで直接スクロールすることも可能であり、巨大ファイルでもどこにいるかが分からなくなることはありません。これによって変更箇所を探す時間を減らし、変更内容のレビューという、より重要な業務に時間を割けるようになります。

コメント数によってコード変更に関する議論の深さを判断

インラインコメント、プルリクエストコメント、コミットコメント、ファイルレベルコメントの各機能が備えられたことにより、あらゆるコード変更に対して十分な議論を行うために様々な手段を使えるようになりました。さらに、すべての状況を十分に把握できるようにするために、プルリクエストタブおよびコミットタブにおいてコメント数表示機能を導入しました。これによって、コード変更内容に対する議論や意見の多いコミットがどれかということが素早く感覚的に把握できるようになりました。

要望にお応えして。ローカルアバター、DIY バックアップなど!

私たちはお客様からのフィードバックを歓迎しており、それを重要視しています。私たちの中心的開発テーマはコードコラボレーションですが、他のご要望についてもしっかりと把握していきたいと考えています。2.12 では、ご要望の多かった 3 つの点に関して機能強化を行いました。

ひとつめはアバターです。この機能により Stash において、ユーザーは Gravatar (グラバター) に代わって任意のローカル画像をアバターとしてプロファイルにアップロードできるようになりました。グラバターも引き続きサポートされ、引き続きデフォルトとなりますが、ユーザーが個人別の設定ページにおいて画像を変更することができます。グラバターを使用しない、または使用できない開発チームの場合、管理者ダッシュボードでその機能をグローバルに無効化することもできます。

ふたつめは、現在提供されているバックアップ・クライアントに代わる、DIY バックアップ機能です。この機能は主としてエンタープライズのお客様の便宜のために開発されたものです。DIY バックアップオプションを使用すれば、多数のプロジェクトを抱え、多数のリポジトリを扱う開発チームの場合であってもダウンタイムを低減することが可能であり、従って高い生産性を維持することができます。

最後に、プロジェクトおよびリポジトリレベルの SSH アクセスキーにおいて、リード/ライトキーとリードオンリーキーを選択できるようになったことを挙げておきます。これによって、ビルドシステムにおいて Stash への新規タグのプッシュやマージの適用の際にアクセスキーを使用することが可能となります。また、アクセスキーを削除すると、Stash はどのプロジェクトおよびリポジトリがそのキーを使用しているかに関する情報を表示します。

Stash 2.12 は、開発チームが diff 機能を使いこなし、チーム内の議論を十分に把握し、そしてそれによって本当に重要な業務 (即ち高品質なコードを書くこと) に集中することを可能とするために開発されたものなのです。

本稿は、Atlassian Blogs 日本語版の転載です。本文中の日時などはAtlassian Blogs 英語版での投稿当時のものですのでご了承ください。