4泊5日の仏領ギアナ滞在を終え、フランス・パリに戻ってきた筆者。復路のパリは、もともと2泊の予定だったのだが、なぜかホテルがまったく空いていなかったため、当日乗り換えにフライトを変更せざるを得なかった。しかし出発は夜9時過ぎで、この日は丸1日時間がある。そこで、ル・ブルジェ航空宇宙博物館に向かうことにした。
オルリー空港に到着したのは朝7時ころ。博物館に行くにはまだ早いし、荷物もあるので、まずは直行バスでシャルル・ド・ゴール空港へ移動。空港内でスーツケースを預けてから、地下鉄とバスを乗り換えて博物館へ向かう。そうこうしていたら、なんだかんだで到着がお昼過ぎになってしまった。
入口に行き、受付で入館料を聞いてみると、なんと無料だという。ただ、屋外展示のコンコルドやボーイング747の中に入るには別料金で9ユーロ必要とのこと。ここまで来てコンコルドに乗らないのはあり得ない。もちろん9ユーロを払ってパスを購入し、いざ中へ。
屋外で目立つのは、アリアン5ロケットの実物大模型だ。ギアナ宇宙センターにも実物大模型はあったが、こちらは初フライト前の1995年、パリ航空ショーの際に建てられたものだという。その隣りには、アリアン1ロケットの実物大模型もあり、近くからじっくり見比べられるようになっている。
こういうのを見ると、ロケットはやはり立っていてナンボだなあと思ってしまう。筑波宇宙センターも相模原キャンパスもロケットは横になっているので、フェアリングのあたりまで見るのには便利なのだが、やはり迫力が違う。日本は地震も多く、安全性の配慮とは言え、ちょっともったいない。
ル・ブルジェ航空宇宙博物館は、展示の量がとにかく多い。筆者が行ったときは、改装のため、全12ホール中の4ホールが見られない状態だったものの、3時間程度では急いで回ってもギリギリだった。時間があるようなら、1日かけてじっくり見るくらいでも良いだろう。
展示は航空関連がかなり充実しているが、最後の方には宇宙関連のホールもあり、フランスで初めて人工衛星の打ち上げに成功したディアマンAロケットを見ることができた。打ち上げたのは1965年。これでフランスは3番目の衛星打ち上げ国になり、日本はその5年後、4番目の国になった。また新しい話題としては、フィラエの展示コーナーもあった。
空港に戻る時間になり、博物館を離脱。夜の飛行機でパリからさようなら……、のハズだったのだが、技術的な問題が発生したとかで、フライトがまさかのキャンセルに。乗り継ぎ先の香港のホテルをまだ確保していなかったのが不幸中の幸いだったが、今晩の宿はどうなるの……。
延々と空港で待たされ、結局、ホテルへのバスが出たのは夜の11時半。自分で探したとき、パリで空いているホテルなんてほとんど無かったのでどこに行くのかなと思っていたら、なんと着いたのはディズニーランドのホテル。なるほど、高いホテルには空室もあるということか…。
おっさん一人で、たった8時間の滞在のためにこのような豪華なホテルに泊まるのもどうかと思うが、とりあえず楽しめたので良しとしよう。帰りのフライトは、キャセイが翌日のエールフランス羽田直行便を用意してくれたので、当初の予定よりも早く帰国できることになってしまった。すべて結果オーライである。