Tianhe-2(TH-2)システムの消費電力は、CPUなどのエレクトロニクスの部分は17.6MWで、これに6.4MWの冷却電力が加わり、全体では24MWとなっている。

TH-2はラック当たり最大80kWの冷却ができる水冷の冷却ユニットを持ち、これでプリント板を冷却している。広東市のセンターに設置されると、この冷却ユニットは市全体に供給される冷水で冷却されることになる。

  • TH-2の冷却は水冷でラック当たり80kWまで冷却できる

    図7 TH-2の冷却は水冷でラック当たり80kWまで冷却できる。広東のスパコンセンターに設置されると、1次冷却水は市の冷水が供給される

TH-2スパコンの一部ではないが、TH-2には4096個のGalaxy FT-1500 CPUからなるフロントエンドプロセサが付いている。FT-1500はSPARC V9アーキテクチャのプロセサで、NUDTの設計である。使用する半導体プロセスは40nmで、16コアを集積する。クロックは1.8GHzである。FT-1500チップの演算性能は144GFlopsで消費電力は65Wとなっている。

  • NUDTが開発したSPARC V9アーキテクチャのFT-1500 CPU

    図8 NUDTが開発したSPARC V9アーキテクチャのFT-1500 CPU。フロントエンドプロセサとして、4096個が使用されている

NUDTは独自のTH Express-2というインタコネクトを開発した。TH-Express-2ネットワークは最上位に576ポートのスイッチを13個使うFat Treeトポロジのネットワークである。

  • TH-2のネットワーク

    図9 TH-2のネットワーク。576ポートのスイッチ13台をSpineスイッチとして、ネットワークを構成している

576ポートのNRC ASICは90nmプロセスで作られ、17.16mm×17.16mmのチップである。ネットワークインタフェースのNICは10.76mm×10.76mmのチップである。どちらも90nmプロセスで作られている。

  • NRC(ルーター)とネットワークインタフェース(NIC)の2種のASICを開発した

    図10 NRC(ルーター)とネットワークインタフェース(NIC)の2種のASICを開発した。NRCは17.16mm角、NICは10.76mm角。両チップとも90nmプロセスで作られている

(次回は8月19日の掲載予定です)