SPARC64 VIIIfxプロセサの主要な諸元を次の表に示す。

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    表2 HPC-ACEアーキテクチャのプロセサの諸元

HPC-ACEでは、この図のように偶数側のレジスタと奇数側のレジスタは 並列に動作する。従ってレジスタがSIMD的に使用できる場合は、4つのFMA演算器が並列に動作し、通常のSPARCと比べて2倍の演算性能が得られる。

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    図3 SPARC64の浮動小数点演算器(左)とHPC-ACEの演算器。HPC-ACEでは偶数と奇数の演算器があり、並列に動作させられる。また、レジスタ数が4倍×2に増加している

なお、第37回Top500では京コンピュータのRmaxは8162TFlopsであったが、これはこの時点では全部のCPUが揃っていなかったためで、第38回Top500の時点では10,510TFlopsとなり、LINPACK性能も10PFlopsを超える値となっている。

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  • 図4 京コンピュータ。50m×60mのフロアに計算ノード筐体が並ぶ (提供:理化学研究所 計算科学研究機構)

京コンピュータが目標としたLINPACK性能は10PFlopsであり、10PFlopsは1016Flopsである。漢数字の位取りは4桁区切りであり、万(104)、億(108)、兆(1012)、京(けい、1016)であるので、10PFlopsのスパコンは京(けい)コンピュータと命名された。

図5の写真は、京コンピュータが設置されたAICSの前に設置されたオブジェである。17個の黒い玉は10進の桁取りを示しており、1×1017を示している。しかし、一寸、凝り過ぎな感もあり、デザインの意味を理解している人は少ない。

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    図5 京コンピュータを設置している理研のAICS(Advanced Institute of Computer Science:計算科学研究機構)とその建物の前に設置された算盤玉のオブジェ。黒い玉が17個あり、その上に金の玉が載っており、1017(1京回/秒)の計算を行うことができることを示している

図6はAICSのロビーに展示されている模型で、寄り集まった建物の左上の一番大きな建物がコンピュータが収容されている計算機棟である。そして、計算機棟にくっついて建っているグリーンの屋根の建物が研究者などのオフィスがある研究棟である。

右側の屋根に円筒形の冷却タワーの載っている建物が冷却水などを作る熱源機械棟で、熱源機械棟の上側の小さな建物が電力会社からの70KVの高圧を受電する特高施設である。70KVの供給は地下のダクトを通るので、高圧の鉄塔や架空の高圧線は見えずすっきりしている。

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    図6 京コンピュータが設置されているAICSの建物の模型

図7は、京コンピュータの電源系を示す図で、主電源は関西電力から供給される70KVの特高電圧であるが、AICSの中にも6MWのガスタービン発電機を2台設置している。京コンピュータの最大消費電力は20MWで停電の場合にすべての装置を動かすには自家発電だけでは電力が不足するのであるが、ファイルサーバなどの無停電電源を必要とする装置には電源を供給し続けることができるようになっている。

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    図7 京コンピュータの電源供給系