第34回目となる2009年11月のTop500で1位になったのは、Oak Ridge国立研究所(ORNL)のスーパーコンピュータ(スパコン)「Jaguar」である。
Jaguarは、Cray Researchの「Cray XT5」スパコンをベースとしている。Crayの創立者のSeymour Crayはスパコンの父と言われ、代表的なスパコンメーカーであるが、実は、CrayのスパコンがTop500の首位になったのは、この第34回Top500が初めてである。
次の写真に見られるように、Jaguarスパコンの筐体には躍動するJaguarの絵が描かれている。
他社のコンピュータが単なる黒い箱の筐体の時代も、Cray-1やCray-2は赤、青や黄色のパネルで外観を飾っていた。しかし、Cray XT4は筐体の下側の1/3程度の面積に描かれた可変ピッチの横縞模様(図2のCray XT4の筐体を参照)が普通であり、カラフルな絵を描くようになったのはCray XT5モデルのJaguarになったころから始まったと思われる。
図2に示すように、Oak Ridge Leading Computing Facility(OLCF)というシステムは、2004年の6.4TFlopsのCray X1システムに端を発し、2005年には18.5TFlopsのX1e、また同年に26TFlopsのXT3へとアップグレードが繰り返され、2006年にはデュアルコアCPUを搭載するCray XT4が追加されている。ちなみにJaguarというシステム名は2005年のXT3へのアップグレートから使われていたようである。
(次回は4月23日の掲載予定です)