SGIのMIPS R10000プロセサを使ったASCI Blue Mountain

ASCI Redに続いて作られたのがSGIが買収したCray Research(CRI)が受注しLos Alamos国立研究所に設置された「ASCI Blue Mountain」である。

ASCI Blue MountainはSGIの250MHzクロックのMIPS64ベースのR10000 RISCプロセサを6144コア使い、ピーク性能は3.072TFlopsである。しかし、1998年11月のTop500リストではLINPACK性能は0.6909TFlopsとピーク性能の22.5%の性能しか出ておらず、ASCI Redの1位に対してASCI Blue Mountainは4位となっている。

これはASCIプロジェクトでは核兵器管理に使うプログラムの実行性能が重要であり、Top500のLINPACK性能は重要視されず、あまりチューニングに時間を割いていなかったためであると見られる。

なお、半年後の1999年6月のTop500では同じハードウェアながらLINPACK性能は1.608TFlopsと2倍近くに向上している。しかし、ASCI Redもアップグレードされピーク性能が3.154TFlops、Linpack性能が2.121TFlopsに向上しており、ASCI Blue MountainはASCI Redに次ぐ2位となっている。この1999年6月のリストでも、ASCI RedのLinpack性能は67.2%であるのに対してASCI Blue MountainのLinpack性能はピーク比52.3%にとどまっており、アップグレードされたASCI Redを抜くのは無理としても、もう少し頑張れたのではないかと思われる。

  • ASCI Blue Mountain

    Los Alamos国立研究所に設置された「ASCI Blue Mountain」 (出所:Los Alamos National Laboratory Webサイト)

(次回は8月21日に掲載します)