今やモバイルデバイスは若い層にも浸透しており、多くの教室がiOSやAndroidのユーザーで埋めつくされていたとしても不思議はありません。
PhotoMathは、「教育」カテゴリーだけでなく、アプリ全体のダウンロード数ランキングでも、多くの国において2年連続で上位を記録している注目のアプリです。
米国のiOS App Storeで首位に
PhotoMathは、数学の問題をスキャンするだけで、解法をステップごとに教えてくれる教育アプリです。使いやすいユーザーインタフェースが大きな魅力となり、学生のユーザー属性(米国では一般的に5~22歳)に短期間でリーチしました。
PhotoMathは2014年、人気テレビ番組「Ellen DeGeneres Show(エレンの部屋)」で取り上げられ、その際に初めてヒットを記録しました。2015年には、新学期という時期と再度の口コミ拡大が人気を押し上げたとみられ、過去3カ月間に「代数」や「数学」を含むいくつかのアプリストア最適化(ASO)キーワードで上位を獲得しています。
米国において、PhotoMathは2015年9月2日から2015年9月10日までの期間、iPhone向けアプリ全体のダウンロード数で上位につけ、無料アプリではトップ10圏内を維持し、数日間は首位に立ちました。この調査期間は、米国の多くの学生が新学期の第1週に向けて準備していた時期に一致します。
各国の学生にも高い人気
オーストラリア、カナダ、ブラジル、ニュージーランドなどの国でも、PhotoMathは2015年8月17日から2015年9月16日までの期間、教育カテゴリーの無料アプリでダウンロード数ランキングの上位を維持しました。米国と同じく、これらの国々でも新学期が近づくにつれて順位が上昇する傾向がみられました。
PhotoMathは、別の教育アプリと同じ世界的な成功への道をたどっています。外国語学習アプリのDuolingoは2013年10月、米国、イタリア、フランス、ブラジル、カナダなど多くの国でiPhone向け無料アプリのダウンロード数ランキングで急上昇しました。教育アプリは、中国をはじめ多くの地域で成長しているため、世界にアピールしていくことは得策でしょう。
カメラを使って問題を解く
PhotoMathは、デバイスのカメラを介した拡張現実(AR)を利用して、学生が数学の問題を解く手助けをするアプリで、ほんの数秒で問題をスキャンし、解法を教えてくれます。現時点では印刷された問題用紙しかサポートしていませんが、今後のアップデートでは手書きの問題にも対応する計画です。
拡張現実を利用して現実の問題を解決する最近のアプリとしては、ほかにもGoogle翻訳があります。同アプリは2015年7月のアップデートで、カメラを使って即時に27言語を翻訳する機能を追加しました。これを機に、現実世界に直接役立つ機能を重視したARアプリが増えるかもしれません。
本稿は、App Annie 公式ブログ にて2015年9月29日に公開されたコンテンツを転載したものです。
執筆者紹介
App Annie
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