スマートフォンだって攻撃される!

Android搭載スマートフォンを狙った攻撃については、一般的なニュースでもたびたび取り上げられている。PCを狙うコンピュータウィルスのようにどこからともなく入ってくる悪意あるプログラムよりは、普通にGoogle playからダウンロードしたアプリに問題があったというタイプの方が多いようだ。

iPhone用のApp Storeと比べて、Google playは比較的簡単にアプリの登録が行える。そのため、はじめから悪意を持って作られたアプリや、人気アプリそっくりに作った偽アプリなども時折紛れ込んでいるのだ。実際にインストールする前に表示される要求機能一覧などをしっかり確認するなどである程度は対策できるが、あまりスマートフォンに詳しくない人にはなかなか難しいだろう。

そこで利用したいのが、セキュリティ対策アプリだ。PC向けのセキュリティ対策ソフトを提供しているメーカーの多くが、スマートフォン用のものも提供している。今回はPC向け無料セキュリティソフトとして有名は「AVG」のAndroid版「アンチウイルスフリー - AntiVirus FREE」を紹介しよう。

「アンチウイルスフリー - AntiVirus FREE」

スタンダードな使い方なら設定いらず

インストール直後に表示される画面には「推奨される設定を使用する」というチェックボックスがある。標準でチェックが入っているから、基本的にはこのままでよい。SMSでのテキストメッセージとウェブ閲覧の保護はアプリ以外からの悪意の侵入を防ぐために有効だが、こうした常駐型の処理をさせるとバッテリーのもちに影響が出る。基本的な処理をした上で、ある程度バッテリーが減ったら警告を出すというのは妥当な設定だ。

チェックを入れたまま下部の「アクティベート」ボタンをタップすると、少し待つだけですぐにメニュー画面が表示される。アクティベートといっても個人情報の登録などは一切ないから気楽に利用できる。

アクティベートした直後のメニュー画面では、左上の「保護」という項目に「初回のスキャンを実行」と表示されている。まずは素直にここをタップし「今すぐスキャン」をタップした上で、しばらく内部のスキャンが完了するのを待とう。ウィルスやスパイウェア的なアプリだけでなく、「USBデバッグ」や「提供元不明のアプリ」受け入れなど、狙われるポイントになりそうな設定も見つけてくれる。

これらの設定は、特に必要がないのならばオフにしておくのがオススメだ。しかし必要な場合、毎回チェックに引っかかるのもうっとうしい。危険性を理解した上でその設定を使い続けるならば、セキュリティ警告画面で「この脅威を無視します」にチェックを入れておくとよいだろう。

スキャンの頻度や対象などは「保護」のメニューから設定できる。感度や頻度など、実際に使いながらここで調整をするとよい。

推奨設定でのインストールは1タップで完了する

アクティベート直後のメニューには「初回のスキャンを実行」と表示されている

問題があった項目だけ赤く表示される

問題の詳細を確認した上で、設定を修正するか脅威を無視するかを指定

スキャンの頻度や感度は指定可能だ

プライバシーとパフォーマンスの管理機能も充実

メニューには「パフォーマンス」や「プライバシー」といった項目もある。「パフォーマンス」では使用していないアプリを終了するタスクキラーや、バッテリーの消費を最適化する設定などが行える。また「データ使用状況」ではどのアプリがどれだけの通信を行っているのかがわかり、「ストレージ使用状況」でもアプリごとの容量が確認できるから、極端なアプリがすぐに見つけられる。

「プライバシー」では電話とSMSの着信拒否や特定番号のみサイレントモードに切り替える設定が行える。また、データの消去もここから可能だ。アプリの起動をパスワードでロックしたり、アプリをバックアップしたりといった機能も用意されている。

これらの機能は端末セキュリティというよりは、端末の利用方法を管理するといった機能だが、どれもわかりやすい画面だけにいろいろ試しながら好みの設定を探すことは難しくないだろう。

「パフォーマンス」にはタスクキラー機能なども含まれる

アプリごとのデータ通信利用状況もわかる

「プライバシー」ではアプリ起動ロックやバックアップ、着信拒否設定などが可能だ

「アンチセフト」はアカウント登録後利用可能

端末内部が知らないうちに汚染されているかどうかをチェックする「保護」、端末の使い方を管理する「パフォーマンス」と「プライバシー」はインストールしただけですぐに利用できるが、唯一「アンチセフト」だけはGoogleアカウントの登録が必要だ。とはいっても、自動的に入力されたメールアドレスに問題がなければ「登録」をタップするだけで完了する。受信したメールから改めて何か処理をする必要はない。

ここで行えるのは、盗難/紛失対策だ。紛失した端末の位置をGPSで確認して地図に表示したり、テキストメッセージを端末に送ってコメントを表示したりといったことができる。また、盗難対策としてテキストメッセージでコマンドを送って端末を制御したり、SIMが入れ替えられた時にロックしたりする機能もある。パスワードが3回間違えて入力され、不正利用が疑われる時には自動的にフロントカメラで利用者を撮影することも可能だ。

「アンチセフト」の利用にはGoogleアカウントの登録が必要

盗難/紛失時に役立つ機能が満載だ

今回紹介した機能の中でも、メニューに「PRO」と書き添えられているものがある。これらは本来、有料の「アンチウイルスプロ」でのみ利用できる機能だ。しかし無料版でも14日間は全ての機能が利用できる。早いうちに興味のある機能について試しておき、無料のまま使い続けるか有料版を購入するか判断するとよいだろう。

「アンチウイルスフリー - AntiVirus FREE」
利用料金:無料
制作者:AVG Mobile