スマートフォンとPCを無線で接続

スマートフォンへデータを入れたい、スマートフォンからデータを出したい、と考えた時にとる方法はいくつかある。基本的な方法としてはUSBケーブルで接続する方法だろう。しかしこれは、けっこう面倒だ。いちいちスマートフォン側のカバーをあけてポートを露出させるのも億劫だし、ケーブルがないと通信できない。

ワイヤレスでの方法としては、Dropboxなどのサービスを介して行う方法がある。これなら比較的簡単にファイル等のコピーはできるが、スマートフォン側で一旦アプリを開いてファイルをコピーするなど、ちょっと手間をかけることになる。

もっとダイレクトにファイルをスマートフォンに入れたり出したりできる方法はないのか、できればスマートフォンのいろいろなことをPCから管理してしまいたい、という人にお勧めしたいのが「AirDroid」だ。

「AirDroid」

スマートフォンのアプリとPCのブラウザで通信

スマートフォン側でアプリをインストールすると、ログインアカウントの作成が求められる。Google、Facebook、Twitterのアカウントを利用してのサインインも可能だ。

ログイン直後の画面で「ケータイお探し」という機能を有効にするかどうかを尋ねられる。要するに、スマートフォンを紛失した時の対策を行う機能で、ここで有効にしなくとも後で設定できるからとりあえず「後で」で進んでしまって問題ない。

新規にアカウントを作成するか、Google等のアカウントを利用してサインイン

端末紛失時に備えた「ケータイお探し」を有効にするかどうかを設定する

次の画面で表示されるURLに、PC側のブラウザでアクセスしよう。逆に、PC側で先に「AirDroid」のアカウントを取得してログインしているならば、画面に表示されるQRコードをスマートフォン側でスキャンすることで接続することもできる。同じWi-Fiネットワークに接続している必要はなく、たとえばPCが有線LAN、スマートフォンがLTEという状況でも、とにかく同じアカウントで双方がログインしていさえすればつながるというのがポイントだ。

表示されるURLにPCのブラウザでアクセス

双方でサインインが完了すると接続モードが表示される

PCのブラウザからスマートフォンのファイルや各種機能を操作

接続したPC側では、スマートフォンの機種名や利用している容量などが表示される。この中で「スマートフォンに対して」何か操作するのは、右側にある「Toolbox」が中心だ。

ブラウザ側からスマートフォンの内部が見られる

「ファイル」ではスマートフォンに送りたいファイルをドロップするか、フォルダマークからフォルダごと追加すると、スマートフォンにアップロードするという形でデータが追加される。アップロード先を指定することも可能だ。「URL」にURLを貼り付ければスマートフォンのブラウザで開けるし、「クリップ」に文字列を入れるとスマートフォンのクリップボードに入って貼付けての利用が可能になる。また「アプリ」にはApkファイルを入れてやると、GooglePlayにないアプリのインストールや、バックアップしたアプリのインストールが可能だ。

「Toolbox」からはいろいろなスマートフォンに対するデータ送付が簡単に行える

画面左側にあるアイコン群はスマートフォンの各種機能、ファイルをPCから使うものと考えるとわかりやすい。「メッセージ」ではSNSの履歴を取得しつつ、PCからSNSの送受信を行うこともできる。「ビデオ」や「写真」、「ミュージック」といっアイコンからは、スマートフォン内にあるその種のファイル一覧が表示され、PC上で再生や表示が可能になる。

「アプリ」ではアプリの削除等が、「連絡先」からは連絡先の確認と追加・修正が行えるといった具合だ。「ファイル」からはPC上のエクスプローラーと同じ感覚で、スマートフォン内のファイルを確認できる。もちろん、ここからPC側へファイルを移動させたり、ドラッグ&ドロップでPCからファイルをコピーすることもできる。

「メッセージ」ではSNS履歴の表示と、直接の送受信ができる

「ファイル」からスマートフォン内のファイルを直接操作することが可能だ

おもしろいのは「カメラ」だろう。スマートフォンのアウトカメラを乗っ取る形で、リアルタイムの映像をPC上で確認できる。高いところなど、実際に見ながらスマートフォンで撮影が難しい場所でも端末を掲げつつPCの画面で確認する、という感じで使うことが可能だ。

スマートフォン側ではファイラーや管理ツールとして活躍

スマートフォン側のアプリは、PCに働きかけることはないのだが、端末そのものの管理ツールとして利用できる。「ツール」というタブに移動すると、利用可能な機能がアイコンで表示されている。

スマートフォン側でも機能をアイコン表示

「デバイス」ではバッテリー状態等のチェックと、メモリ解放ができる。「アプリ」ではアプリ一覧を表示し、並べ替えたりアプリの削除をすることが可能だ。「ファイル」はファイラー機能で、ファイルの削除・コピー・共有といった操作が行える。「タスク」ではタスクを選択しての終了などが可能だ。

もし、メモリ解放アプリやタスク管理アプリ、ファイラーなどを別々に入れているのならば「AirDroid」にまとめてしまうこともできる。

デバイスの状態確認やメモリ解放ができる

ファイラーとしても必要な機能は完備

タスク管理ツールとしての役割も持っている

ちなみに「プレミアム」は有料会員アカウントの購入機能だ。LTE等で接続していると「リモート接続モード」、同じLANに接続している状態だと「ローカル接続モード」と表示され、接続モードを切り替えたい時には一度サインインし直す必要がある。また「リモート接続モード」には無料会員だと利用できない機能や、容量制限などもあるから、可能ならば「ローカル接続モード」を普段は利用するとよいだろう。

「AirDroid」
利用料金:無料
制作者:SAND STUDIO