半額で電話がかけられるアプリ
スマートフォンの料金プランには、フィーチャーフォンでは当たり前に存在した「無料通話」分がない。そのせいで、何も考えずに通話していると思いがけず高額な料金を請求されて驚くことになる。電話なのに電話がしづらいという不自由な状況だ。
友人との雑談や、恋人との気楽な会話なら少々音質が悪くても、音が途切れても大した問題にはならないからアプリの通話機能などを活用して無料通話にしてしまうのもよいだろう。しかし仕事の連絡はそういうわけにはいかない。
普通の電話と同じ音質で、普通の電話よりずっと安くかけたい。そういう要望に応えてくれるのが「楽天でんわ」だ。30秒10.5円という、キャリアの通話料金の半額で利用できる。利用にあたっては楽天のアカウント取得とクレジットカードの登録が必要だが、基本料金は無料。使った分だけカードから後日引き落とされるシステムだ。
「003768」を頭につけるダイヤラー
「楽天でんわ」の正体は、マイラインのようなものだ。通話の真ん中にフュージョンコミュニケーションズが立ち、発信側と着信側の仲立ちをする。発着信側には接続料だけを支払い、真ん中のフュージョンコミュニケーションズが一般的な携帯キャリアよりずっと低い取り分に押えることで全体の通話料を抑えている。安価なサービスではあるが、普通の電話と同じ回線を使っているため、音質等は普通の電話と同じだ。
安い回線を使うための手法として、発信番号の先頭に特殊な番号をつける必要がある。「楽天でんわ」の場合は「003768」を付け加える。たとえば「090」で始まる番号ならば「003768090」で始まる番号になるというわけだ。この作業を「楽天でんわ」のアプリがやってくれる。
実際に通話作業をするのはスマートフォンに入っている通話アプリなので、IP電話がかけられるツールなどが入っているスマートフォンの場合は初回利用時には連携アプリを選択しなくてはならないことに注意しよう。
また、発信番号の冒頭につけた番号は回線選択のためのものであり、実際に相手先には元の番号でかけているという体裁になる。正しい番号表示がされるのはもちろん、相手のアドレス帳に登録さえれているならきちんと名前も表示されるから安心だ。
アドレス帳や発着信履歴は標準アプリと共有
「楽天でんわ」は、インストールすると自動的に端末のアドレス帳と連携する。ちょうど、標準の電話アプリでアドレス帳にある名前から選択して電話をかけるのと同じイメージだ。「楽天でんわ」のアプリ内からの新規番号追加なども行える。
発着信履歴に関しても、標準の電話アプリと連携。標準の電話アプリと「楽天でんわ」を使い分けていたとしても、どちらからでも履歴が確認できるから、普通にかかってきた電話に「楽天でんわ」からかけ返す、というような動きも簡単に行える。
番号入力やお気に入りのピックアップにも対応
電話帳にある番号だけでなく、普通にキーパッドから電話番号を打ち込んで通話することもできる。この時も、特に冒頭番号のことは意識せず、普通に「090」や「03」で始まる電話番号を入力するだけだ。打ち込んだ番号がアドレス帳にあるものならば、きちんとその名前も表示される。
「よく使う項目」というお気に入り機能もある。星印のタブを選択して「よく使う項目に新規追加」というボタンをタップするとアドレス帳が表示されるから、ここから自分がよく電話をかける相手をピックアップして登録しよう。いちいち電話帳をあたらなくとも安価に通話できるようになる。
無料通話ができる相手はリストで除外
同キャリアだったり家族等で割引きがかけてあったりで、無料通話ができる相手もいるだろう。そういう相手に「003768」をつけて発信すると、無料通話のオプションが解除されて、通話料がかかってしまう。いちいち標準アプリと使い分けるのは面倒だから「無料通話リスト」を活用しよう。
アドレス帳に登録してある人の中から選択してリストを作るだけなのだが、ここに登録されている人に関しては「003768」をつけずに発信できる。設定画面の中に設定項目が隠れているから、導入後は早めに設定しておきたい。
「楽天でんわ」
利用料金:無料
制作者:フュージョンコミュニケーションズ