メモではなくノートを手書きで作る
スマートフォンの特徴といえば、画面をタッチして操作できることがある。その操作をページ送りやアイコン等の選択だけでなく、手書きで文字を書くという形で使いたいという人も多くいるだろう。それに対応する手書きメモアプリはたくさんある。
しかしメモを超えた、しっかりしたノートを作りたいのならば「Note Anytime Lite」がお勧めだ。多彩なペンを使い分けて文字や絵を描き込み、写真を貼り付けられる上に、テキスト入力もできる。しかも独自ファイル形式だけでなく、PDFでの書き出しなども可能だ。
スマートフォンよりはタブレットでの需要が高いタイプのアプリだが、「Note Anytime Lite」はAndroidタブレットはもちろん、iOS搭載端末やWindows PCでも利用可能だ。データ連係させる仕組みも用意されているから、タブレットやPCでやっている作業の補助的な使い方をスマートフォンからも行いたいというユーザーにもぴったりのアプリとなっている。
手書きで絵も字も入ったノートを作成
インストール後に表示されるチュートリアルが非常に充実しているから、使い方にとまどうことはほとんどないだろう。サンプルも豊富に用意されている。
新規作成時には、用紙の縦横方向のほかに、罫線の有無などもテンプレートから選択可能だ。サイズは標準でプレゼンテーション用の4:3用紙が選択されているが、A4やはがきなども選ぶことができる。背景色の変更なども含めて、用紙設定はノートを作り始めてしまってからも変更可能なのがうれしい。
ツールバーはシンプルだ。一番左にある目を閉じたような絵が描かれたアイコンは、書き込み禁止状態にするもので、ここを選択している間は画面に触れても書き込みが行われない。その右にあるペンツールを選択すると、太さや色が指定できるようになる。さらに右には消しゴム、範囲指定をする投げ縄ツール、テキスト入力とアイコンが並ぶ。
実際にペンを選択して書き込むと、非常になめらかに書き込みが行える。書き込みモードでも2点をタッチしたピンチ操作では線が描かれてしまうことはない。2点タッチ状態で表示位置を変更させることもできるから、2点タッチと1点タッチを切り替えながら操作をすればツールを変更せずに拡大して書き込み、縮小してバランスチェック、というような作業が行える。
手書き文字や絵と、テキスト入力だけでなく、もちろん画像の追加も可能だ。ローカル保存してある画像だけでなく、その場で写真を撮って挿入することもできる。また、矢印などのアイテムを標準で用意されたものから手軽に追加したり、Webページのキャプチャを貼り付けたりすることも簡単に行えるから、現場状況を撮影して注釈を加えたレポート等の作成も容易だ。
PDFを読み込んで書き込みも可能
このアプリでは独自形式のファイル以外に、PDFを読み込むことができる。作業用に独自ファイル方式への変換が行われるため最初に開く時にはわずかながら時間がかかるものの、1度読み込んでしまった後はゼロから作ったノートと同じようにスムーズな扱いが可能だ。
PDFの読み込みは、メニューの「ファイルから読み込む」で指定するか、PDFファイルを開く時に表示されるアプリ選択メニューで「Note Anytime Lite」を指定することで実施できる。読み込み時には表示位置や回転の指定ができるから、扱いやすい形で読み込もう。
PDF内への書き込みは白紙のノートと同じように自由に行える。スマートフォン内での作業中は独自ファイル形式で行っておけばよいが、別のところでも使いたい時には書き出しメニューを使えばよい。「Tumblrに送る」、「アプリケーションに送る」、「画像に変換してアルバムに保存」というメニューが用意されている。「アプリケーションに送る」では開いているページのみを画像化したものか、ノート全体の独自ファイル形式のものをメール添付やGoogleドライブへの送付が可能だ。「画像に変換してアルバムに保存」では、1ページのみの書き出しと全ページの書き出しが指定可能だ。
無料で使えるドキュメント共有用ストレージ「Digital Cabinet」
複数の端末で「Note Anytime Lite」を利用するならば、ぜひ活用したいのが「Digital Cabinet」だ。メールアドレスを登録するだけで簡単にアカウントを取得することのできる無料オンラインストレージで、容量は2GB用意されている。
「Digital Cabinet」を利用すると、「Note Anytime Lite」がEvernoteのような利用感になる。アプリ上で編集したノート、作成したノートが同じアカウントで「Digital Cabinet」にログインしている「Note Anytime Lite」同士で自動的に共有されるからだ。Windows版、iOS版とも簡単に連携できる。
また、手書き文字変換「mazec」との連携できる。こちらは有料だが「mazec3」を使っているならば「Note Anytime Lite」内でも手書きでテキスト文字入力ができるようになる。いちいちソフトウェアキーボードから入力するのは面倒だが、手書きそのままではない文字で書き込みたいという人には便利だ。
さらに有料版の「Note Anytime」も用意されている。こちらではペンの種類が豊富になり、ノートへのパスワード設定や、プレゼンテーションに利用しやすい各種機能なども搭載されているから、まずは無料版で使い慣れてからよりディープに使いたい場合にアップグレードするとよいだろう。
「Note Anytime Lite」
利用料金:無料
制作者:MetaMoJi Corp.