手書きを効率的にデータ化するデジアナ文具

名刺やメモなど紙ベースのものをデジタル化するためのアプリは数多くある。その中で、専用ノートと専用アプリを組み合わせることで効率的な読み取りと管理を行えるようにしているソリューションがいくつかある。文具メーカーが中心になって提供されているこれらの中の、はしりといえるのがキングジムの「SHOT NOTE」だ。

四隅にマーカーがプリントしてある専用ノートは、手のひら大のメモパッドからリングノート、貼ってはがせる付箋、無線とじノートなどいろいろ用意されている。マグネットシート状のホワイトボードにマーカーをプリントしたことで会議の議事録を直接デジタル化できるようにしたものまで存在する。これらの「書くもの」側が有料であり、アプリは無料というスタイルだ。

四隅にマーカーが印刷されたSHOT NOTE用メモパッド

共通タグやOCRの有無などを事前に設定

アプリは会員登録なども必要なく、ダウンロードすればすぐ使えるようになる。利用開始前にいくつかの設定をしておくと便利だ。

まず画質は標準で「低画質」となっているが、スマートフォンの処理能力や保存容量的な問題がないのならば「高画質」にしておきたい。ざっくり書いたメモや図を読み取りたいだけならば「低画質」でも十分だが、細かい文字などを書き込むならば「高画質」の方が快適だ。

また、標準で「カラー表示」となっているデフォルトカラーも、モノクロのものしか読み取らないのならば「二階調表示」にしてもよい。これは撮影後にも変更可能だ。データの保存先、日付のOCRを行うかどうかなども設定できる。

撮影後のデータをクラウドサービスと共有するならば、アカウントの設定も行っておこう。EVERNOTE、Dropbox、Google Driveとの連携が可能だ。Twitterへの投稿、メール送信もできるから、アドレス等を設定しておくとよいだろう。

画質やカラーの設定を事前にしておくとよい

OCRを行うかどうかや保存先についての設定も事前に行う

EVERNOTEなどとの連携準備も済ませておこう

マーカーを基準に斜め画像をまっすぐ補正

ノートへの書き込みは、四隅のマーカーにかからない範囲で自由に行える。右上にある「No.」と「DATE」の部分はOCRあり設定ならばナンバリングと日付を書き込んでおくと自動認識されるエリアだ。ナンバーは4桁でつけることができ、日付は標準だと西暦の下2桁と月、日という順で記載する。

撮影時は画面内に表示される4つの枠に、ノートの四隅のマーカーが収まるようにすればよい。かなり大きな枠なので、なんとなく上からかざして取るという程度の撮影方法で十分に収まるはずだ。暗いようならば右下のボタンでライトを点灯させよう。

カメラボタンを押すとピントが調整され、撮影される。この時点でもう台形補正は完了しており、OCRもできているはずだ。タイトルやタグはこの時修正してもよい。問題がないようならば「保存」をタップすると、リストに表示される。

左下のカメラボタンをタップして撮影モードに入る

4つの枠に四隅のマーカーが収まるようにして撮影する

即座に台形補正とOCRが行われる

保存するとリスト化される

回転は明るさ補正、トリミングも可能

リストから選択すると大きくノートが表示される。下のメニューボタンをタップすると、編集メニューが表示されるはずだ。「編集」ではタイトルやタグ、日付といった文字情報の編集が行える。

画像に対しては90度ずつの回転と明るさの変更のほかに「切り出し」が用意されている。緑色の枠を調整することでノート内の任意の部分を切り抜くことができるが、データを上書き保存するか新規保存するか選ぶことができる。元のデータは残したまま新規保存すれば切り出しデータを別途持っておくことも可能だ。

明るさや回転などの編集が可能

切り出して別ファイルとして保存できる

EVERNOTEとの連携で整理もらくらく

読み取ったノートは、ローカルで利用するのならば、タイトル、日付、番号、タグ、撮影日でソートできる。もちろん検索も可能だ。日付に関してはORCした日付と実際の撮影日が別に記録されるから、何日分かをまとめて読み取っても問題ない。

ソート方法は5種類用意

各要素での検索も可能

クラウドサービスとの連携で最も向いているのは、EVERNOTEとの連携だろう。タグをつけておけば、EVERNOTE上でSHOT NOTEから読み取ったものだけをまとめて管理できる。アプリ内で複数ノートを選択して一括でタグ変更を行うこともできるから、まとめてあるプロジェクトに関連するものだけ別のタグをつける、というようなことも簡単に行える。

メモ以外の使い方として、比較的大きめのノートを利用している場合、上に乗せたものを一緒に読み取れる。小さいメモだと付箋を貼る程度になるが、大きなノートならば名刺を置いてメモと一緒に読み取るというような使い方もできるだろう。

「SHOT NOTE」」
利用料金:無料
制作者:KING JIM CO., LTD.