「航空機とセンサー」ということで、どこから取り上げようかと思案した結果、最初のお題は早期警戒機とした。普通、早期警戒機というと想起されやすそうなのは、E-3セントリーやE-2ホークアイのように、背中にロートドームを背負った形態ではないかと思われる。→連載「航空機の技術とメカニズムの裏側」のこれまでの回はこちらを参照。
ロートドームとはどのようなものか?
E-3が分かりやすいのだが、ロートドームを見ると、中央部に白っぽい部分があり、その前後に黒いフェアリングを付けて、円盤形にまとめている。
実は、その白っぽい部分の前後両面がレーダーのアンテナで、これを回転させることで全周をカバーしている。黒いフェアリングは、いってみれば空力的な整形のため。
E-3のロートドームは、直径が9.1m、厚みが1.8mで、これが高さ3.4mの支柱に載せられている。もちろん軽量化の努力はしているはずだが、支柱を取り付ける部分に荷重がかかる事態は避けられない。ベース機のボーイング707ではそんな荷重はかからないから、胴体の補強が必要になったはずだ。