地上にいる飛行機を飛び立たせるためには、さまざまな支援機材を必要とする。そうした支援機材を地上側で用意すると、それだけ地上側のフットプリントが増える。旅客機ならまだしも、設備が整っていない飛行場を拠点とすることもある軍用機では、それはありがたくない。持って歩かなければならない機材が増えるからだ。
内蔵すれば地上側の道具立ては少なくなるが
例えば、ジェット・エンジンを始動する際に必要となる圧縮空気を供給するためのスターター。これを外付けにすると、まずスターターを持ってきて機体に配管をつなぎ、それからスターターを始動して、それでようやくエンジン始動の準備が整う。また、エンジン始動後にはスターターを止めて、配管を切り離す手間もかかる。
逆に、APU(Auxiliary Power Unit)を機体に内蔵させて電力や圧縮空気の供給源とする方が、地上側の機材が少なくなる。F-15のJFS(Jet Fuel Starter)やF-35のIPP(Integrated Power Package)も、考え方は同じといえよう。