前回は、機体に載せるエンジンや電子機器について、どういった形で整備を実施するかという話を取り上げた。その続きとして、二段階整備と三段階整備、そして整備を外注する際の契約形態について取り上げてみる。→連載「航空機の技術とメカニズムの裏側」のこれまでの回はこちらを参照

二段階整備と三段階整備

エンジンや電子機器の整備に絡んで頻出するキーワードが、二段階整備(two level maintenance)と三段階整備(three level maintenance)。その名の通り、整備作業における「段階」の違いを示している。

三段階整備とは、「列線(ライン)・中間・デポ」という意味。それに対して二段階整備とは、「列線(ライン)・デポ」という意味。ここでいう列線(ライン)とは運用現場を指す。対してデポとは、後方の整備拠点やメーカーの工場を指す。では中間とは何かというと、運用現場ごとに置く整備拠点を指す。

二段階整備では、機体の運用現場では細かい整備を行わず、外したSRUやモジュール(場合によってはLRUや計器など)を直接、メーカー、あるいは運用者の後方整備部門に送る。そちらでどういう整備を行うかは、機体の運用現場は関知しない。極端なことをいえば、整備済み品が円滑に運用現場に供給されるかどうか、だけを気にすれば良い。

二段階整備を選ぶメリット

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