軽く、かつ丈夫に作らなければならないのは、飛行機の機体構造が抱える宿命。もっとも、軽く作らなくても済むヴィークルというものは、他の分野でもあまり存在しないが、特に飛行機においてはクリティカルな話になる。→連載「航空機の技術とメカニズムの裏側」のこれまでの回はこちらを参照。
主翼の「フ ム ナ」
第2次世界大戦中に活躍した飛行機のプラモデルはいろいろ出ているが、もちろん地元だけに日本の機体は製品が多い。それを実際に作っていると、主翼の上に貼るデカールで「フ ム ナ」と書かれたものが用意されていることがある。カタカナで書くと判じ物みたいだが、「踏むな」という意味である。
それの現代版が、以前に第156回で取り上げたことがある「NO STEP」標記。主翼を構成する部材のうち、荷重を受け止めるトーションボックスの部分は当然ながら頑丈に作られているから、上に人が乗ったぐらいでどうにかなることはない。
ところが、それ以外の部位では人が乗ったただけでもイカれてしまう箇所があるから注意が必要、という話である。