東芝は、2018年5月23日から25日にかけて、パシフィコ横浜にて開催されている自動車技術者のための自動車の最新技術・製品の技術展示会「人とくるまのテクノロジー展2018 横浜」において、複数のグループ会社が合同でブースを出展。画像認識プロセッサ「Viscontiシリーズ」を用いた自動運転に向けた「ドライバモニター連携 次世代コックピットソリューション」デモや、独自の2次電池「SCiB」、2次電池向け電極などの紹介を行っている。

Viscontiは、画像認識に特化したプロセッサ。現在は、車載向けとして、第4世代となる「Visconti 4シリーズ」を展開している。プロセッサの中核となる「MPE(Media Processing Engine)」は、デジタル家電向けに東芝が2000年代初頭に開発して以降、発展させてきた32ビットRISCコア「MeP(Media embedded Processor)」に、画像処理などに対応するコプロセッサなどを組み合わせ、マルチコアで処理することで、複数アプリの同時実行を低消費電力で実現することを可能としている。

  • 東芝の画像認識プロセッサ「Visconti 4」

    東芝の画像認識プロセッサ「Visconti 4」

デモは、前方監視に1チップ、左右の電子ミラーによる後方監視に1つずつ、ドライバー監視に1チップと4チップ構成で、車両周辺の死角をなくしつつ、ドライバーの状態もチェックすることが可能であることを示すものとなっている。また、次世代のVisconti 5となるべくチップの開発も進められているという。現在、クルマに搭載する光学イメージセンサの数は増加傾向にあり、入力チャネル数を増やすなどの改良が施される予定だという。

  • 「ドライバモニター連携 次世代コックピットソリューション」のデモ

    Visconti 4を4つ搭載した「ドライバモニター連携 次世代コックピットソリューション」のデモ。ドライバー監視は、中央の前方監視の裏で処理が行われている

このほか、同社ブースでは、東芝マテリアルが独自開発した2次電池向け酸化タングステン電極材料の紹介を行っている。酸化タングステン粉末の電子伝導性やリチウムイオンの拡散性を向上させることで、高速充放電特性を実現したもので、2次電池への適用は元より、キャパシタへの適用や代替用途などにも利用可能とのことであり、広い用途開発に向けたパートナーシップの相手の探索などを積極的に進めて行きたいとしていた。

  • 東芝の二次電池「SCiB」

    東芝の二次電池「SCiB」

  • 東芝マテリアルが開発した酸化タングステン電極材料

    東芝マテリアルが開発した高速充放電可能な酸化タングステン電極材料