前回はMicrosoft Office製品から「しおり」を自動で作成する方法について説明しました。今回は、AcrobatでPDFに手作業で「しおり」を追加したり、編集したりする方法について説明します。
AcrobatでPDFに「しおり」を付ける
Acrobatを使うと、「しおり」の付いていないPDFに「しおり」を付けることができます。
わかりやすいように、画面左の「しおり」パネルを表示してください。「しおり」を付けたい段落のテキストを選択し、「しおり」パネル上部の「しおりを追加」ボタンをクリックします。
選択したテキストがそのまま名称(ラベル)となって「しおり」パネルに追加されます。「しおり」が追加された直後は、名称(ラベル)を編集できる状態になっているので、必要であれば文字を修正できます(後から修正することも可能です)。
テキストを選択した後、右クリックによるコンテクストメニューから「しおりを追加」を選択しても「しおり」を作成できます。
また、「しおりの追加」には、キーボードショートカットが割り当てられておりCtrlキーとBキーを同時に押すと、選択したテキストの内容で「しおり」を作成できます。テキストの多いPDFに「しおり」を追加する場合は、キーボードの矢印キーでカーソルを移動し、Shiftキーを押しながら矢印キーを押してテキストを選択、Ctrl+Bキーで「しおり」を追加するほうが効率的に作業できるかもしれません。
テキストを選択しなくても作成できる
ココまでの説明では、テキストを選択してから「しおり」を作成していますが、「テキスト」を選択しなくても「しおり」は作成できます。
「しおり」をクリックして表示したいページを表示して、「しおり」を作成してください。テキストを選択せずに追加した「しおり」は、名称(ラベル)が「名称未設定」で「しおり」パネルに登録されるので、適切な文言を入力してください。
「しおり」は、ページの表示状態が登録される
「しおり」の作成において、覚えておきたいポイントがあります。それは「しおり」に登録されるのは、PDF内のページの表示状態だということがあります。表示状態とは、表示倍率とページ内のどこが表示されていたかです。この表示した状態が「しおり」として登録されるので、「しおり」をクリックするとその状態でページが表示されます。ですから「しおり」を作成する際には、読者が「しおり」をクリックした時に望ましいページの表示状態にしてから作業することが重要です。
お勧めの表示設定としては、表示倍率を「ページレベルにズーム」(キーボードショートカットはCtrl+0)で、ページ全体を表示できるようにしておくといいでしょう。[表示]メニュー→[ズーム]→[ページレベルにズーム]で設定できます。ページ全体が表示されれば、「しおり」の表示先とその前後も表示されるので、読者も使いやすいはずです。
「しおり」の編集
「しおり」は、最後に選択した「しおり」の下に追加されますが、後から表示される位置を変更したり、階層構造を編集したりすることも可能です。
名称(ラベル)の変更
「しおり」パネルで、「しおり」をクリックして選択した後に、再度クリックすると「しおり」の名称(ラベル)を編集できます。テキストを選択して「しおり」を作成した際に、選択漏れなどがあった場合は修正してください。
表示位置や階層の変更
「しおり」パネルで、「しおり」の左に表示されているアイコンをドラッグすると、しおりの表示位置を変更できます。ドラッグすると、移動先となる位置を示す三角形と点線が表示されるので、移動したい位置までドラッグしてください。
また、ドラッグ先の設定により「しおり」を階層構造にすることもできます。親の「しおり」となる名称(ラベル)の上にドラッグ&ドロップすると、その「しおり」の「子しおり」となります。
PDF表示時に「しおり」パネルも開くように設定しよう
PDFに「しおり」を付けても、読者に利用してもらわなければ意味がありません。そこで、PDFを表示した時に「しおり」パネルも表示されるようにしましょう。
[ファイル]メニューから[プロパティ]を選択します。「文書のプロパティ」ダイアログボックスが表示されるので「開き方」タブをクリックして表示します。「レイアウトと倍率」の「表示」で「しおりパネルとページ」を選択して[OK]をクリックします。PDFを上書き保存すれば、次回PDFをAcrobatで表示した時に「しおり」パネルも表示されます。もちろんこの設定は、Microsoft Officeから「しおり」を自動作成したPDFでも有効です。