ページ数の多いPDF文書内では、必要な情報が記述されている箇所を探すのが大変です。そんなときに便利なのが検索機能です。Acrobatには、2つの検索機能が搭載されています。用途や目的に応じて使い分けるとよいでしょう。今回は検索機能について紹介します。
PDF文書内を検索する
取扱説明書や仕様書など、ページ数の多い文書から情報を探すことは多いと思います。
そんなとき頼りになるのが検索です。Acrobatには「簡易検索」と「高度な検索」の2つの検索機能が搭載されています。
はじめに「簡易検索」から見ていきましょう。
AcrobatでPDFを開き、[編集]メニューから[簡易検索]を選択します。キーボードショートカットはCtrl+Fです。FindのFなので、覚えておくとよいでしょう。
Windows右上に、検索用のポップアップが表示されます。テキストボックスに検索するキーワードを入力し(1)[次へ]をクリックします(2)。
表示されていたページを基準に、後ろのページが検索されます。キーワードが検索されると、該当部分のあるページが表示されキーワード部分が反転表示されます。
検索を続けるには、再度ポップアップの[次へ]をクリックします。検索された部分から後ろページ方向に検索が続行されます。[前へ]をクリックすれば、前ページ方向に検索されます。
キーボードショートカットを使いこなそう
検索ポップアップウィンドウの[次へ]には、キーボードショートカットとしてCtrl+Gが割り当てられています。Gキーは、検索ポップアップウィンドウを表示するCtrl+FのFキーのすぐ右側に配置されているので、覚えやすいと思います。また[前へ]のショートカットはShift+Ctrl+Gです。Ctrl+Gの逆向きは、Shiftキーを押すと覚えるといいでしょう。
なお、Ctrl+Fを押すと、検索ポップアップが表示されると同時に、キーワードを入力するテキストボックス内にカーソルが点滅し、すぐにキーワードを入力できるようになっています。
キーワードを入力して、Ctrl+Gを押せばすぐに検索が実行できます。Ctrl+Gを連続して押せば、次へ次へと検索を続けられます。誤って、目的の箇所を行き過ぎた場合でも、Shift+Ctrl+Gで、逆向きに検索すればすぐに戻れます。
入力したキーワードが検索されなかった場合、再度Ctrl+Fを押すと、キーワードがハイライト表示されて、すぐに違うキーワードを入力できるのも覚えておきましょう。
このように、キーボードショートカットを使えるとマウスを操作せずに目的のページを見つけられます。文書内を検索するケースは、急いでいることが多いと思うので、かなり効率的になるはずです。
高度な検索
もう1つの「高度な検索」を見ていきましょう。
[編集]メニューから[高度な検索]を選択します。
キーボードショートカットは、Shift+Ctrl+Fです。「簡易検索」のCtrl+Fに、Shiftキーを追加したものです。
画面左に「検索」ウィンドウが表示されます。「高度な検索」では、この「検索」ウィンドウを使って検索します。
しおりや注釈なども検索対象としたり、複数用語で検索したりできます。
また、指定したフォルダー内のすべてのPDF文書を検索できるので、必要な文書が見つからないときに、キーワードでファイル検索することもできます。
現在の文書を検索
現在表示しているPDF文書で検索してみましょう。
検索するPDFを表示して「現在の文書」を選択します(1)。
テキストボックスにキーワードを入力します(2)。キーワード欄の下でオプションが設定できるので、必要に応じてオプションにチェックしてください。ここでは、すべてオフの状態で[検索]をクリックします(3)。
検索が終了すると、「検索」ウィンドウに検索された箇所がリスト表示されます(1)。またPDF文書のウィンドウは、簡易検索と同様に、検索された箇所がハイライト表示されます(2)。
「簡易検索」と異なるのは、すべての検索対象が「検索」ウィンドウにリスト表示されることです。検索キーワードの前後の文章も表示されるので、見つけたい箇所をすぐに見つけられます。
「検索」ウィンドウの結果リストの項目をクリックすれば(1)、文書ウィンドウでは該当箇所が表示されます(2)。
なお、「検索」ウィンドウの結果リストでも、キーボードショートカットのCtrl+GとShift+Ctrl+Gは有効です。
新しいキーワードを指定するには、[新規検索]をクリックしてください。
複数キーワードで検索
「検索」ウィンドウでは、複数のキーワードを指定することもできます。1つの文書内で、複数のキーワードを検索したいときに便利です。
「検索ウィンドウ」下部の[詳細オプションを表示]をクリックします。「検索」ウィンドウの表示が詳細オプション表示に変わります。
キーワードの入力欄に、半角スペースで区切ってキーワードを入力します(1)。「次の条件を含む」で「いずれかの語が一致するものを検索」を選択して(2)、[検索]ボタンをクリックします(3)。
条件に指定したキーワードが検索されてリスト表示されます。
フォルダーを指定して、複数のPDFで検索
「検索」ウィンドウでは、Acrobatで表示している文書以外に、指定したフォルダー内に含まれている複数のPDF文書を検索することも可能です。
この検索方法を知っていれば、必要な資料が見つからないときでも、PDF文書内に含まれているキーワードでファイル検索できるので大変便利です。
「検索」ウィンドウを開き、詳細オプション表示にします。
「検索する場所」のポップアップから、検索するフォルダーを指定します。デフォルトでは、「マイドキュメント」「デスクトップ」とコンピューター内のドライブだけが表示されるので、他のフォルダーを検索するには「参照」をクリックして、検索フォルダーを指定してください(1)。
フォルダーを指定したら、検索キーワードを入力します。文書内の検索と同様に、複数のキーワードを指定するには、半角スペースで区切ってください(2)。
最後に条件を指定します。ここでは「すべての語が一致するものを検索」を選択しました(3)。検索条件は以下の通りです。
完全に一致する語句を検索:キーワードと完全に一致する語句のあるファイルを検索します
いずれかの語が一致するものを検索:指定したキーワードのうち、いずれかが含まれるファイルを検索します
すべての語が一致するものを検索:指定したキーワードがすべて含まれるファイルを検索します
指定したら[検索]をクリックします(4)。
「結果」欄に、指定したキーワードがすべて含まれるPDFファイルがリスト表示されます。ファイル名左の+アイコンをクリックして展開すると、そのファイル内で検索された箇所が表示されます。
このように、「高度な検索」では、PDFファイルの検索にも利用できます。
置換もできるAcrobat
Acrobatを使えば、保護されていないPDFのテキストを編集できることはご存じの通りです。
検索機能と組み合わせて、検索したテキストを他のテキストに置換することも可能です。
「簡易検索」で、検索ポップアップを表示します。検索キーワードを入力したら(1)、[置換語の文字列]をクリックします(2)。
検索ポップアップの下部に置換文字列の入力欄が表示されると同時に(1)、ツールパネルが表示され[テキストと画像の編集]ツールが選択された状態になります(2)。
この状態で、ツールパネルを閉じてしまってもかまいません。
「検索ポップアップ」の「置換語の文字列」に置換するテキストを入力し(1)、[次へ]をクリック(2)してキーワード部分を検索します。
キーワードが検索され、ハイライト表示されます(1)。置換してよいなら[置換]をクリックします(2)。
検索部分が、置換されました。[次を置換]をクリックすると、次に検索された部分が置換されます。検索された部分を確認してから置換するには、[次へ]をクリックして検索部分をハイライト表示して[置換]をクリックしてください。