前回は、FormsCentralを使ってPDFフォームを作成しました。今回は、作成したPDFフォームをWebに公開してみましょう。
フォームをオンラインに移動する
FormsCentralで、サインインせずに作成したPDFフォームは、ローカルPCに保存されています。FormsCentralにサインインすると、ローカルPCのPDFフォームデータをオンラインに移動して、Webで公開できます。
作成したPDFフォームをWebで公開してみましょう。 「返答をオンラインで収集」タブをクリックし(1)、[今すぐ開始]をクリックします(2)。
サインイン画面が表示されるので、ご利用のAdobeIDとパスワードを入力し[サインイン]をクリックします。AdobeIDをお持ちでないときは[無料アカウントを作成]で作成できます。
アップデートを促す表示がされた場合は、アップデートしてください。
PDFフォームの配布から管理までの手順概要が表示されるので[閉じる]をクリックします。
ローカルPCでデザインしたPDFフォームが、クラウド上にアップロードされます。クラウド上に移動したPDFフォームは、画面上部のタブの表示が変わります。「デザイン」タブでは、ローカルPC保存時と同様に、PDFフォームのデザインが可能です。
アップグレード画面が表示された場合
前回も書きましたが、Acrobatに付属している無償アカウントでは、扱えるフォームの数が1つだけという制限があります。そのため、すでにFormsCentralで公開したことがあるPDFフォームがある場合、有償サービスにアップグレードを促す画面が表示されます。
今回の説明では、無償アカウントのまま作業するので「閉じる」をクリックします。
サインインすると、「マイフォーム」画面が表示されます。
「マイフォーム」タブが表示されない場合は、左上の「FormsCentral」をクリックしてから「マイフォーム」タブをクリックしてください。
「マイフォーム」画面に表示されたPDFフォームで、左側に雲のマークが表示されているのが、現在クラウド上にあるPDFフォームです。PCのマークが表示されているのがローカルPCに保存されているPDFフォームです。
複数のPDFフォームを扱うには、アップグレードした有償サービスを利用してください。
ここでは、すでにクラウド上にあるPDFフォームを削除して、ローカルPCで作成したPDFフォームを公開できるようにします。クラウド上のPDFフォームを選択し[削除]をクリックして削除します。
PDFフォームをテストする
FormsCentralのクラウドサービスにアップロードしたPDFフォームは、そのままWebで公開してフォームデータを回収できます。
Webでの公開前にテストページをプレビュー表示して動作の確認が行えるので、試してみましょう。
「テスト」タブをクリックし(1)、[Webフォームをテスト]をクリックします(2)。
Webブラウザに、作成したPDFフォームから作成されたフォーム用のWebページが表示されます。実際にデータを入力して[送信]ボタンをクリックしてみてください。
送信されると確認メッセージが表示されます。
この確認メッセージは、「オプション」タブの「確認メッセージ」の内容が表示されるので、必要に応じて変更できます。
テストページから送信されたPDFフォームのデータは、FormsCentralで自動回収されます。「返答を表示」タブをクリックすると、テストページから送信されたデータが表示されます。タブ部分には、あたらしく回収されたデータの件数が表示されます。
PDFフォームの配布
テストして問題ないようなら、PDFフォームを公開しましょう。
「配布」タブをクリックします。配布形式として「Webフォーム」「PDFフォーム」「埋め込みフォーム」が選択できます。
「Webフォーム」は、前述のテストページのように、Webページで配布する形式です。WebフォームのURLが表示されるので、これをメールやTwitterで告知してください。「リンクを電子メールで送信」をクリックすると、URLが挿入された新規メールが作成されるので、送信先を指定して送信してください。「リンクをツイート」をクリックすると、URLの入ったツイートが作成されます。
「PDFフォーム」は、ローカルPCにPDFフォームをダウンロードして配布する形式です。詳細は、38回を参照ください。
ダウンロードしたPDFに送信ボタンを付けるには、「「送信」ボタンを追加すると、返答をFormsCentralに送信できます」オプションにチェックしてください。
「埋め込みフォーム」は、他のWebページに埋め込むための埋め込みコードが表示されます。これを、Webページに記述してください。「埋め込みオプション」では、背景色をふくめるかなどのオプションを設定できます。
フォームのオープンとクローズ
「配布」タブの「フォームの状態」で「オープン」をクリックすると、WebフォームやPDFフォームから送信されたデータの回収が可能になります。「クローズ」すると、回収を受け付けません。
回収したデータは、「返答を表示」タブで管理できます。テストページから送信してデータもそのまま残るので、不要なら削除してください。
回収したデータに関しては、第39回「FormsCentralでの回収データの操作 -PDFフォームの配布(2)-」を参照ください。
ローカルPCでのPDFフォームの作成
今回は、FormsCentralを使ってローカルPCで作成したPDFフォームを、クラウドに移動して公開しました。ワードなどから作成したPDFフォームよりも、Webページとして配布できるのが大きなメリットです。
なお、FormsCentralは、サインインせずに使用すれば、ローカルPC内に複数のPDFフォームを作成できます。FormsCentralで作成したPDFフォームは、サインインしなくても、「ファイル」メニューの「PDFフォーム形式で保存」で、ローカルPCにPDFとして書き出すこともできるので、PDFフォームの作成アプリとして活用することも可能です。