PDFフォームの作成時に、フォームフィールドの内容を消去するリセットボタンを付けておくと、テスト用に入力したデータを消去するのに便利です。配布時に、そのまま付けておいてもいいでしょう。今回はリセットボタンの作成について説明します。
フォーム編集モードに入る
前回のPDFフォームにリセットボタンを追加します。フォーム編集モードに入ります。[ツール]をクリックして(1)[フォーム]の[編集]をクリック(2)します。
ボタンを追加する
ボタンを追加します。ツールバーの「ボタンを追加」をクリックして選択します(1)。
カーソルがガイドラインと一緒に表示されるので、ドラッグまたはクリックしてボタンを作成します(2)。
フィールド名を入力するポップアップが表示されるので、フィールド名称を入力します(1)。ここでは「reset」としました。
ボタンの表示方法や動作を設定するので、[すべてのプロパティ]をクリックします(2)。
[ボタンのプロパティ]ダイアログボックスが表示されます。[一般]タブの[ツールヒント]に、ツールヒントを入力します(1)。このヒントは、ボタンにカーソルを乗せたときにポップアップで表示されるものです。ボタンの動作などを入力しておきましょう。ここでは、すべてのフィールドを消去するので「すべてのフィールドの内容を消去します」と入力しました。
[表示と印刷]オプションは、「表示/印刷しない」を選択します(2)。この設定で、このボタンは画面上には表示されますが、プリンターでは印刷されないボタンとなります。
[オプション]タブを表示します。[レイアウト]に「ラベルのみ」を設定します(1)。[ラベル]に「リセット」と入力します(2)。これで、ボタンには「リセット」というラベル名が表示されるようになります。
[アクション]タブを表示し、ボタンの動作を設定します。[アクションを選択]に「フォームをリセット」を選択し(1)、[追加]をクリックします(2)。
「フォームをリセット」ダイアログボックスが表示されるので、このボタンが押された際にリセットするフォームフィールドをチェックして選択します。ここでは、すべてのフィールドを消去するので、すべてのフィールドを選択し[OK]をクリックします。
「フォームをリセット」ダイアログボックスでは、リセットするフィールドを選択できます。今回はすべてのフィールドの内容を消去するボタンを作成していますが、フィールドごとにリセットボタンを作成することもできます。フォームの内容や、利用者の利便性を考慮して作成するようにしてください。
「ボタンのプロパティ」ダイアログボックスに戻ります。「アクション」欄に、ボタンの動作が追加されたことを確認して[閉じる]をクリックします。
PDFにリセットボタンが追加されたことを確認し(1)、[フォームの編集を閉じる]をクリックしてフォーム編集モードを終了します(2)。
動作の確認
リセットボタンの動作を確認しましょう。
フォームフィールドにデータを入力します。追加したリセットボタンの上にカーソルを乗せて、設定したツールヒントが表示されるのを確認します(1)。確認したらボタンをクリックします(2)。
入力したフィールドの内容が消去されたことを確認します。
最後に、ボタンがPDFをプリントされないことを確認します。実際にプリントアウトしてもかまいませんが、プリント時のダイアログボックスのプレビューでも確認できます。
ツールバーの[ファイルを印刷]をクリックするか、[ファイル]メニューの[プリント]を選択します。[印刷]ダイアログボックスが表示されるので、右下のプレビューに設定したボタンが表示されていないことを確認してください。
3回にわたり、簡単にPDFフォームの作成方法を紹介してきました。Acrobatには、ほかにも、PDFフォームを作成するためのツールが用意されています。フォームを使う側が使いやすいPDFフォームを作成してください。