いまやビジネスでの電子メールの利用は当たり前になっており、蓄積されたメールは、一種のデータベースでもあります。これらのメールデータの中で、ひときわ重要なものは、PDFでバックアップしておくと便利です。今回は、Outlookで受信したメールのPDFで自動バックアップする方法を紹介します。
OutlookのフォルダーをPDFにまとめる
電子メールの利用は、ビジネス現場で当たり前のものとなりました。メールには、プロジェクトのやりとりや、決めごとの内容などが蓄積され、ある種のデータベースとしても利用できます。
しかし、企業によっては、サーバ側のメールシステムの都合によって古いメールが削除されることがあります。また、ローカルPCの不具合によって、過去のメールデータが取り出せなくなる可能性もあります。
そこで、重要なメールをPDFファイルにバックアップしてみてはいかがでしょうか? Acrobatには、企業のメールクライアントソフトとして大きなシェアを持っているMicrosoft Outlookのアドインで、指定されたフォルダーのメールを自動的に1つのPDFファイルに保存する機能がついています。
メールデータをPDFにまとめておけば、あとからAcrobatで1つのPDFファイルを見るだけで、どんなやりとりをしたかを確認できます。PDFファイルなので、他のPCにバックアップしておくことも可能です。
では、Outlookで指定したフォルダーをPDFに自動バックアップする方法を見ていきましょう。
Outlookを起動し、左側のナビゲーションウィンドウからバックアップするフォルダーを選択します(1)。PDFへのバックアップはフォルダー単位なので、適当なフォルダーを作成して、メール仕分けルールを作成し、自動仕分けするとよいでしょう。
フォルダーを選択したら、[Adobe PDF]タブを選択して[自動アーカイブを設定]をクリックします(2)。Outlook2007では、[Adobe PDF]メニューから[自動アーカイブの設定]を選択してください。
[Acrobat PDFMaker]ダイアログボックスの「自動アーカイブ」タブが表示されます。[自動アーカイブを有効にする]にチェックをつけ(1)、[スケジュール]でバックアップするスケジュールを選択します(2)。今回は「毎日」を選択しました。
[開始時刻]で、PDFバックアップを実行する時刻を設定し(3)、[追加]をクリックします(4)。
[フォルダーの選択]ダイアログボックスが表示されます。バックアップするフォルダーにチェックがついていることを確認し(1)、[OK]をクリックします(2)。
このダイアログボックスで複数のフォルダーを選択できますが、1つのPDFにまとまって保存されるので、1つのフォルダーにしたほうがよいでしょう。
[PDFアーカイブに名前を付けて保存]ダイアログボックスが表示されるので、バックアップするPDFの保存場所とファイル名を設定して[開く]をクリックします。
[Acrobat PDFMaker]ダイアログボックスに戻るので、[自動アーカイブのリスト]に選択したフォルダーと、PDFの保存先が追加されたことを確認します(1)。
このまま[OK]をクリックすれば、スケジュールで設定したタイミングでPDFに保存されるのですが、[今すぐ実行]をクリックして、現在のメールをバックアップしておきましょう(2)。
[Adobe PDFを作成中]ダイアログボックスが表示され、フォルダー内のメールがPDFに変換されます。
PDFアーカイブの確認
どのようにバックアップされたかを確認しましょう。保存されたPDFアーカイブをAcrobatで開きます。メールはそれぞれの単独のPDFに変換され、PDFポートフォリオとして1つのファイルにまとまっています。
通常のPDFポートフォリオなので、上部のリストからPDFを選択すれば、下部にPDFの内容が表示されます。不要なメールは削除することも可能です。
添付ファイルのあるメールは、PDFに埋め込まれた状態でバックアップされ、ファイルを抽出して保存することもできます。
メールは、ビジネスのやりとりを時系列に記録している大切な情報です。Outlookの仕分けルールを上手に使い、プロジェクトごとのフォルダーなどにまとめておき、PDFで自動バックアップしておけば、手間をかけずにメールデータをバックアップしておけます。