前回は、PDFに[次ページ]ボタンを作成しました。今回は作成したボタンを流用して[前ページ]ボタンを作成し、すべてのページにボタンを配置してみます。
PDFのボタンをコピーする
前回に引き続き、ページナビゲーション用のボタンとして[前ページ]ボタンを作成しましょう。
前回と同様に、ボタンをはじめから作成してもよいのですが、同じ大きさのボタンであれば、前回作成したボタンをコピーしたほうが効率的です。ここでは、前回のボタンをコピーして作成します。
[ツール]をクリックして[インタラクティブオブジェクト]の[オブジェクトを選択]をクリックします。
作成したボタンを[オブジェクトを選択]し、ShiftキーとCtrlキーを押しながら左にドラッグします。Ctrlキーを押しながらドラッグすると、ドラッグ先にボタンをコピーできます。Shiftキーも一緒に押したことで、移動方向が45°刻みに制限されるので、きれいに整列した位置にコピーできます。
コピーしたボタンをダブルクリックします。
[ボタンのプロパティ]ダイアログボックスが表示されるので、[一般]タブの[名前]欄を「next」から「forward」に変更します。
[オプション]タブをクリックし(1)、[ラベル]欄を「次ページ」から「前ページ」に変更します(2)。
[アクション]タブをクリックします(1)。現在、次ページを表示するアクションとなっているのを、前ページを表示するアクションに変更します。
アクション欄の[メニュー項目を実行]を選択して(2)、[編集]ボタンをクリックします。
[メニュー項目]ダイアログボックスが表示されるので、前ページを表示するコマンド[表示>ページナビゲーション>前のページ] をクリックして選択し(1)、[OK]ボタンをクリックします(2)。
[アクション]欄のボタンの動作が「表示>ページナビゲーション>前のページ」に変わったことを確認して[閉じる]をクリックします。
動作をチェックしてみる
ボタンが変更できました。ボタンをクリックして正しく動作するかチェックしてみてください。前ページが表示できない場合は、再度ボタンをダブルクリックして[ボタンのプロパティ]ダイアログボックスを表示して、[アクション]タブの設定を確認してみてください。
ボタンを他のページにコピーする
[前ページ][次ページ]の2つのボタンが作成できたので、他のページにも同じ位置に配置しましょう。
ツールパネルの[インタラクティブオブジェクト]の[オブジェクトを選択]を選択します(1)。選択したら、2つのボタンを囲むようにドラッグして選択します(2)。画面では、完全に囲んでいますが、実際はドラッグして表示される長方形にボタンが触れていれば選択できます。
選択したボタンを右クリックし、表示されたメニューから[複数ページに複製]を選択します。
[フィールドの複製]ダイアログボックスが表示されます。このダイアログボックスで、複製するページを指定します。ここでは、[すべて]を選択し(1)、[OK]ボタンをクリックします(2)。
他のページを表示して、選択した2つのボタンが同じ位置にコピーされていることを確認します。このように、Acrobatでは、作成したボタンを、他のページの同じ位置にコピーできます。そのため、はじめにボタンを作成する際に、ヘッダーやフッターの位置を確認できるページで作業を開始することが重要になります。
ちなみに[複数ページに複製]で複製すると、Ctrl+Zで操作の取り消しができません。ご注意ください。
すべてのページに[前ページ][次ページ]ボタンが配置できました。先頭ページの[前ページ]ボタンと、最終ページの[次ページ]ボタンは不要なので削除します。
先頭ページを表示し、[前ページ]ボタンをクリックして選択しDeleteキーを押して削除します。
最終ページを表示し、[次ページ]ボタンをクリックして選択しDeleteキーを押して削除します。
これで、ナビゲーションボタンの完成です。ナビゲーションボタンは、すべてのページに配置することが多いと思うので、いかに効率的に作成するかがポイントとなります。Acrobatには[複数ページに複製]という強力な機能があるので、上手に利用して効率的に作成しましょう。