PDFの注釈は、文書の校正に大変便利なツールです。注釈には、文字を修正するための注釈ツールと、修正指示をするための描画マークアップツールがあります。これらの色は、Acrobatの初期設定で決まっていますが、任意に変更できます。校正者ごとに異なった色の注釈を入れるローカルルールで運用すれば、注釈の色だけで誰が校正をしたかが判別できます。
注釈の色を変更する
PDFに挿入した注釈の色は、Acrobatでの初期設定の色となります。色は挿入した注釈の種類によって決まっているのですが、自由に変更できます。
では、変更してみましょう。AcrobatでPDFを表示します。ツールパネルで「テキストと画像の選択」ツールを選択します。
色を変更する注釈の上にカーソルを移動します。右クリックしてメニューを表示し、「プロパティ」を選択します。
「プロパティ」ダイアログボックスが表示されます。このダイアログボックスの「色」が、注釈の色となります。色を変更するので、カラーボックスをクリックします。ポップアップで色が表示されるので、クリックして選択します。ここでは「他のカラー」をクリックして選択し、表示された色以外の色を設定します。
「色の設定」ダイアログボックスが表示されるので、右側のカラースペクトルから色を拾うか、色を数値指定して好みの色を設定します(1)。「色を追加」をクリックして(2)、左側の「作成した色」(3)に色が追加されたことを確認したら[OK]をクリックします(4)。
「プロパティ」ダイアログボックスに戻ります。「色」のカラーが選択した色に変更されていることを確認し(5)、[OK]をクリックします(6)。
注釈の色が変わったことを確認します。
プロパティバーの表示
たくさんの注釈の色を変更するのに、「プロパティ」ダイアログボックスを表示していると効率的ではありません。そんなときは、プロパティバーを使いましょう。
[表示]メニューから[表示切り替え]>[ツールバー項目]>[プロパティバー]を選択します。プロパティバーが表示されます。
注釈をクリックして選択すると、プロパティバーに現在の色が表示されます。プロパティダイアログボックスで変更したのと同じ手順で、色を変更できます。
プロパティバーは大変便利なのですが、「テキストを置換」ツールを使った注釈の色は変更できません。これらの注釈の色は「プロパティ」ダイアログボックスで変更してください。 なおプロパティバーは、キーボードショートカット「Ctrl+E」で表示・非表示を切り替えられます。覚えておくとよいでしょう。
デフォルト色の変更
注釈の色を変更すると、変更した色を常に使いたいと思うこともあるでしょう。変更後の色をデフォルト色にするには、色を変更した注釈を右クリックしてメニューを表示し、「現在のプロパティをデフォルトとして使用」を選択します。これで、次に注釈を挿入すると、変更した色となります。
または「プロパティ」ダイアログボックスで色を変更した後に、「プロパティをデフォルトとして使用」にチェックして[OK]をクリックします。
なお、プロパティバーで色を変更できない「テキストを置換」ツールを使った注釈のデフォルト色は変更できません。
複数の注釈の色を同時に変更する
「注釈のリスト」を使うと、複数の注釈の色を同時に変更できます。プロパティバーで色を変更できない「テキストを置換」ツールを使った注釈の色を変更するには便利です。
注釈パネルを表示し「注釈のリスト」を表示します。Ctrlキーを押しながらクリックして、色を変更する注釈を選択します。選択したら右クリックしてメニューから「プロパティ」を選択します。
「プロパティ」ダイアログボックスが表示されるので、色を選択して[OK]をクリックしてください。