校正担当者から、校正の注釈が入ったPDFがちゃんと戻って来たら、校正内容を元文書に正しく反映させなければなりません。そのためには、校正漏れがないように、そして校正指示の意味が不明な部分は明確にしながら修正する必要があります。そのためには、注釈のリストを活用すると便利です。
注釈のリストでチェックしながら元文書を修正する
「注釈パネル」の「注釈のリスト」には、取り込んだ注釈がすべてリストで表示されます。このリストを上手に使って、元文書の修正漏れがないようにしましょう。
「注釈のリスト」に表示された注釈をクリックすると、PDF文書に記入した注釈もハイライト表示されます。注釈の内容を確認して、元文書を修正してください。
文字の追加や修正の場合、「注釈のリスト」のコメント欄の文字をコピー&ペーストすることもできます。修正時のタイプミスを防止するのにも役立ちます。
元文書の修正が終了したら、「注釈のリスト」の右上に表示されたチェックボックスをクリックしてチェックマークを付けます。これは、この注釈の修正が完了した印となります。
注釈の内容がよくわからなかったり、記入意図が不明だったりする場合は、チェックを付けないでおき、校正担当者に確認しましょう。
「注釈のリスト」は、フィルター機能でレビュー担当者やチェック済みかどうかで絞り込んで表示できます。一通り修正が終了したら、未チェックの注釈だけを表示して、注釈の内容を確認してから元文書を修正します。そして、未チェックの注釈が無くなったら文書の修正は完了です。
ステータスも利用可能
「注釈のリスト」では、チェック以外にステータスを設定することもできます。ステータスを使うと、より詳細に修正状況を設定できます。
「注釈のリスト」内の注釈を右クリックし、メニューから「ステータスを設定」を選択すると、「承認」「キャンセル」「完了」といったステータスを選択できます。ステータスを使えば、文書の修正状態を細かく分けられるので、修正の進捗状況を詳細に管理できます。
ステータスは、大変便利な機能なのですが、ステータスを設定するのに若干時間がかかります。校正する文書のページ数や注釈の量が多いと、右クリックメニューでの操作は意外にストレスとなります。実際に使ってみてどう運用するかを決めるとよいでしょう。
たとえば、元文書を修正したらチェックをつけ、修正後の確認作業時にステータスで「完了」にするなどです。「注釈のリスト」の注釈は、Ctrl+クリックで複数選択できるので、選択した注釈に一度にステータスを設定できます。修正が正しくされているかを確認したら注釈をCtrl+クリックで選択して、ある程度選択した状態でステータスの「完了」を選択すれば、操作もスムーズです。
このように「注釈のリスト」に修正の履歴を残しておけば、修正漏れがあった場合でも、校正担当者の校正漏れだったのか、修正作業者の修正漏れなのかがはっきりします。
手書きのPDFの場合
校正担当者の中には、プリントアウトして手書きで校正を行い、スキャンしたPDFを返送して来る場合があります。コピー/プリンターが一体になった複合機には、文書をPDFにする機能があるので、意外に多いように思います。
手書き校正のPDFは、注釈が入っていないので、「注釈のリスト」が使えません。そこで、注釈のスタンプを利用しましょう。Acrobatにはさまざまなスタンプが用意されていますが、今回は「標準」に分類されているスタンプを利用してみます。
スタンプを選択したら、修正が完了した校正箇所をクリックまたはドラッグします。クリックなら標準のサイズで、ドラッグの場合は任意のサイズでスタンプを入力できます。
スタンプパレットを表示すると効率的
このスタンプも、入力するたびにスタンプを選択する必要があります。この操作も、サブメニューから選択するため、校正作業時にはかなりのストレスとなります。
そこで、スタンプパレットを表示して作業するとよいでしょう。スタンプパレットは、注釈の[スタンプを追加]をクリックして「スタンプパレットを表示」を選択すれば表示されます。
表示されたスタンプパレットから、修正が終了したら「完了」、担当者に校正内容の確認を行うものは「草稿」などとルールを決めて入力すれば、後からどの部分について質問したかがわかりやすくなります。
また、スタンプも注釈なのでコメントを入れられます(日付の表示欄の下をクリックすると入力できるようになります)。校正内容の疑問点や、却下する理由などを入れておくと、修正時の備忘録として活用できます。