必要十分な機能をトータルパッケージで提供
クライアント管理の自動化を実現できる「Kaseya」には、クライアント端末管理に必要な機能が一通り揃っている。PCの遠隔管理とサポート、パッチ管理やデータ遠隔消去、資産管理、モニタリングから、ソフトウェアの自動インストールも標準機能として用意されている。
オプションを利用すれば、アンチウィルス/アンチマルウェア機能や、バックアップ/復元機能も利用可能だ。こうした機能がWindows PCはもちろん、Mac、Linuxといったオフィスで利用されるクライアント端末のほか、iPhoneやAndroid、BlackBerry、Windows Phoneといったスマートフォンにも適用できる。10月には話題のMDM(Mobile Device Management)も導入された。
これらの機能はKaseya自身で開発したものもあれば、企業を買収することで取り込んだものもある。中にはOEM提供を受けているものもあり、オプションであるアンチウィルス機能はカスペルスキー、バックアップ関連はアクロニスからのOEMだ。
「1社でそんなにいろいろな機能が提供できるものなのか、と思われるかもしれませが、適宜OEM提供を受けたり、専用ソフトを開発していた企業を買収したりしています。もちろん、深さという意味では専門ソフトにはかないませんが、実際に専門ソフトの機能をすべて使い切っている企業は少ないでしょう。必要十分な機能を提供できているつもりです」と北原氏は語る。
ただ、アンチウィルスなど基本的な機能はすでに導入済みという企業も多いだろう。そんな場合には、既存ソフトとKaseyaを共存させることも可能だ。Kaseyaの必要な機能だけをピックアップして利用することができるのだ。
「まずは不足している部分の自動化にKaseyaを利用していただき、導入済みソフトについては、ライセンスの更新時期になったら、Kaseyaに乗り換えていただくこともできます」と北原氏は導入のしやすさを強調する。
1クライアント数百円でできるITの自動化
サーバではなく、クライアントの端末管理となれば、当然対象台数が多くなる。そうなるとコストが気になるところだが、Kaseyaを採用することでコスト面でのメリットも享受できる。
アンチウィルスとバックアップというオプション機能以外は、標準機能としてワンパッケージで提供されるため、多くの機能がシングルインタフェースで扱いやすくなるだけでなく、個別のライセンスを管理する手間からも解放される。また、パッケージ提供のため、各機能を個別に用意するよりも安価に環境が整えられるのだ。
「これだけの機能があると、価格が高いのでは心配される方も多いようですが、実際には非常に安価な製品となっています。導入は100クライアントから可能で、標準パッケージの場合、100クライアント月額5万円からになります。オプションのアンチウィルス機能とバックアップ機能を利用しても、それほど高額にはなりません」と北原氏は説明する。
パッケージで提供されるため、個別に導入するほどではないが、あれば便利という機能や、導入効果が見えづらい機能も利用しやすいというのもポイントだ。
「最近はスマートフォンが浸透してきていることからMDMの需要が高まっていますが、基本的に端末の管理ツールですから、導入しても価値が見出しにくいのも事実です。ポイントソリューションで、こうしたものを導入して効果を出すのは厳しいでしょう。その点、3キャリア対応はもちろん、海外にある端末の管理も可能な機能をトータルで提供できるKaseyaなら、企業も導入しやすいのではないでしょうか」と北原氏は語る。
自動インストールされるエージェントで導入も容易
大量のクライアント端末を対象としたソリューションとなれば、導入の容易さも重要になる。いくら導入後の管理が自動化されるといっても、導入時に1端末ずつ対応しなければならないのでは負担も大きい。しかしKaseyaの場合、ネットワークや端末の負荷が低いエージェント型を採用しながら、導入時の手間が非常に少ないのも特徴だ。
「同一LAN上に接続された端末であれば、自動的にエージェントがインストールされます。後から新しい端末が加わった場合にも自動的にインストールされますから、人事異動や組織改編、新入社員の入社時にも手間はかかりません」と、北原氏はIT管理者の作業負担軽減にも貢献できることを強調する。
また、Kaseyaは標準でVPN機能を搭載しているため、ファイアウォールにインバウンドポートを開ける必要なく導入でき、導入後はLANに限らず、インターネットに接続している端末ならまとめて管理ができる。管理者を用意できない遠隔地の拠点や、モバイル端末の管理もしたいケースなどにもしっかり対応してくれるのだ。
もちろん、暗号化等によってセキュリティもきちんと確保されている。管理者のパスワードがネットワーク上に流れることもなく、クライアント側のアクセスもセッションごとに発行されるランダム値とパスワードを組み合わせて利用しており、スニッフィングやサーバへの不正アクセス、データ盗聴等への備えは万全だ。
トラブル発生時の対応も、アラートを出したり機器を止めるといった対応だけでなく、解決へと導いてくれる。
たとえば、マシントラブルの場合、事前に察知してアラートメールを管理者とユーザーに送り、自動的にバックアップを行うというような対応も可能だ。こうした動きはスクリプトで自由に設定できる。標準でスクリプトサンプルが3,000種用意されており、カスタマイズすることも可能だ。チェックを行い、結果を報告し、対応まで行うというステップ管理ができるのもKaseyaの大きな特徴となっている。
「企業が必要とするクライアント管理の機能のほとんどを備えています。管理者不在で細かい対応が社内では難しい場合には、サービスプロバイダが遠隔で対応することも可能です。細かく対応したいということであれば、スクリプトのカスタマイズのみお手伝いするようなオンプレミスwithサービスという形でも利用していただけますので、困っていることがあったら、ぜひ声をかけて欲しいですね」と北原氏は語った。