Kaseya Japanが設立される前からKaseyaに注目し、クラウド型のサービス「C-PAS」として提供してきたのが、コンピュータ・ブレインズ(大阪)だ。特に医療系の会計システムや調剤会計システムなどを提供している同社は、Kaseyaのヘルスケア分野での利用も推進している。
「Kaseyaをクラウドサービス化していることで、サーバを自社で用意したくない、まずは気軽に試してみたいというお客様にとってよいソリューションになっていると考えています」と語るのは、コンピュータ・ブレインズ ソリューション・システム開発部の坪井誠氏だ。
そして、この利点に着目し、端末管理システムとしてKaseyaを導入したのが大阪府にある千船病院だ。
同病院は、昭和33年に医療法人愛仁会千船診療所として発足して以来3度の増改築を経て、現在は診療科17科がある。病床数は292と多く、地域の中核病院に位置づけられている。
病院間情報共有を実現する地域連携システム
千船病院は中核病院として急性期治療を手がけており、容態が安定したあとは後方病院へと引き継ぐ立場にある。後方病院というのは、亜急性期や慢性期に対応する病院やリハビリテーション施設などを指す。当然、スムーズな連携を実現するためには、看護サマリや診療情報をも引き継がなくてはならない。
従来は紙ベースで患者自身が持ち運ぶか、FAXなどで引き継ぎが行われていた。しかしこの方法ではタイムラグが発生してしまうため、もっと効率よく情報を共有するために導入したのが地域連携システムだ。
「地域連携システムを導入するにあたって、院内のPCを千船病院の管理者の方が調整をして配布をするという方法をとられる為、配布後遠隔地にあるPCのセキュリティを保ち続けることができるソリューションをお探しでした。環境構築が不要で多拠点のPCの管理ができるKaseyaに着目して頂きました」とコンピュータ・ブレインズ ビジネス・ソリューション 営業部 谷口加奈氏。
「地域連携システムを導入するにあたって、院内のPCを千船病院の管理者の方が調整をして配布をするという方法をとられる為、配布後遠隔地にあるPCのセキュリティを保ち続けることができるソリューションをお探しでした。環境構築が不要で多拠点のPCの管理ができるKaseyaに着目して頂きました」とコンピュータ・ブレインズ ビジネス・ソリューション 営業部 谷口加奈氏。
セキュリティ対策と管理機能の両立するクラウドサービスが魅力
千船病院ではKaseyaのどこに魅力を感じたのか。千船病院でシステム管理を担当している田中信吾氏は、理由を以下のように語っている。
「『セキュリティ対策』と『管理』の両方を兼ね備えているところです。Kaseyaの機能の多さが、求めている要件をすべて網羅していて尚且つコンピュータ・ブレインズが提供しているKaseyaのSaaS版「C-PAS」が費用面でも安価であったことが選択の大きな理由になりました。「C-PAS」は拠点ごとにサーバの構築の必要はないので、必要な分だけサービス使用料として使用できるので今後管理端末が増えた時も柔軟に対応できるというところも魅力的でした」
「当初10ライセンスからスタートして、現在は30ライセンスを使っていただいています。順調に当初計画どおりにライセンスが増えている状態です」と谷口氏は語った。
設定と管理の省力化を実現
実際に利用されているメインの機能は、アンチウィルスとリモート管理機能だという。アンチウィルスについてはKaseyaのオプションサービスであるKaseyaアンチウィルス(KasperskyのOEM)を利用している。
千船病院では元々院内でシステム管理を行っていた実績があるため、Kaseyaも「C-PAS」に接続して利用するという形で自由に活用されている。コンピュータ・ブレインズでは導入時に技術的なアドバイスをいくつか行った程度で、細かな利用方法のレクチャーなどは行っていないという。それでも利用に支障はなく、使い勝手がよいと好評だ。
「まず、PCの設定が非常に省力化されました。個々のソフトのインストールや設定が、Kaseyaで一本化されたので、提供までの時間が想定していたよりも飛躍的に少なくなりました。また、セキュアなリモート環境によって、セキュリティ担保に必要なウィルスソフトの更新管理やPCの障害等にも管理者側で迅速に対応ができますし、エラーログも残っているので、このPCで何が起こっているかの把握をしやすくなり、結果的に快適にご利用頂けるように運用できています。導入当初からの課題であった、『ユーザーに負担なくセキュリティの強化』が実現できています。私の場合、院内の他の業務も兼務しておりますので、Kaseyaを使うことによって管理の手間が掛からないのは、非常に助かっています」と田中氏は語っている。
千船病院の導入事例は、そうしたハードルを越えて上手く活用した好例だ。遠隔地に設置した多数の端末を1人が管理するという、通常ならば手間のかかる作業をスムーズにこなしたことで、今後のシステムの広がりにもKaseyaは貢献できているといえるだろう。