2005年に開催を開始して以来、参加者は4万8000人を超える開発者イベント、「フリースケール・テクノロジ・フォーラム(FTF Japan 2012)」が、10月22日、23日に日本で開催される。

Freescale Semiconductor幹部による基調講演とJAXA 宇宙科学研究所 イプシロンロケットプロジェクトマネージャの森田泰弘 教授をゲスト・スピーカーに迎えたジェネラル・セッションのほか、70以上のテクニカル・セッション、130以上のデモンストレーションが催される同イベントでは、ビジネス交流やコミュニティ活動を融合してネットワークを構築する機会も提供される。この一大イベントについてマイナビニュースでは開催直前特集として、注目のセッションや展示ブースなどの情報を、全8回の予定で紹介していく。第5回目となる今回は、2日目(23日)に行われるジェネラル・セッションの概要について紹介しよう。

10月23日の15:30より、2012 フリースケール・テクノロジ・フォーラム・ジャパン内にて行われるジェネラル・セッションでは、FreescaleのCEOであるグレッグ・ロウ氏が登場。同社のグローバルにおける最新の状況、ならびに日本市場の位置づけやビジネスの焦点に関するスピーチ、ならびにステージ・デモンストレーションが行われる。加えて、JAXAの森田泰弘 教授がゲストとして、ロケットへの人工知能搭載による世界初のモバイル管制を試みる「イプシロンロケットの挑戦」をテーマにした講演を行う。

イプシロンロケットは3段式の次世代固体燃料ロケットで、1段目には既存のH-IIAロケットの補助ブースターを使い、2段目と3段目にはM-Vロケット(2006年に退役)の上段の改良型が使われるという日本の固体燃料ロケットの技術がすべて集約されたもの。

そして新たな試みとして、ロケットに人工知能を持たせることで、打ち上げのシステムの簡素化を図ろうという取り組みも含まれている。すでにさまざまな機器、特に止まることが許されない株式相場などのネットワークを活用したミッションクリティカルな分野や、人命を預かる自動車分野などを中心に、デバイスやモジュールが自らを自らが点検するセルフチェック機能が搭載されているほか、コンピュータの性能が向上したことにより、膨大なデータを比較検討し、質問者に対する最適解を瞬時に提供する知性的なことも実現できるようになってきた。

ロケット技術は先端分野だが、人間が介在し、チェックなどを行うのが通例となっており、そうした機械の知能化という技術は使われてこなかった。その点において、イプシロンロケットは、自らが自らを点検することが可能な史上初のロケットであり、極端な話、パソコン1台による発射管制を可能とするのだ。

こうした技術は、まさに組込技術の粋が集められたものであり、Freesacleが提供する最新技術にも通じるものがある。ロケット自らが点検を行う知能化技術。気になる人はぜひ、「フリースケール・テクノロジ・フォーラム」のジェネラル・セッションに参加して、組み込み業界の未来の姿を体感してみるべきだろう。

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