Canvaにアカウントを登録できたら、さっそくスライドを作成してみよう。最初に行うべき作業は、好きなテンプレートを探し出して、スライドのデザインを指定することだ。Canvaには数えきれないほどのテンプレートが用意されているので、時間の余裕があるときに「どんなテンプレートが提供されているか?」を確認しておくとよいだろう。
スライドの作成開始とテンプレートの選択
前回の連載では、Canvaにアカウント登録(会員登録)するときの操作手順を紹介した。これでプレゼンテーション用のスライドを作成できる環境が整った。さっそく、スライド作成を試してみよう。
今回紹介するのは、スライドに「テンプレート」を適用してデザインを指定する方法だ。あわせてページの追加と削除、画面表示に関連する操作についても紹介するので、これらの操作手順も学んでおくとよい。
Canvaを使ってプレゼンテーション用のスライドを作成するときは、最初に「プレゼンテーション」のアイコンをクリックする。続いて、スライドのサイズ(縦横比)を選択する。通常は「16:9」のサイズを選択しておけばよい。
Webブラウザに「新しいタブ」が追加され、スライドの編集画面が表示される。まずは、テンプレートを検索する作業から始めていこう。適当なキーワードを入力して「Enter」キーを押すと、そのキーワードに該当するテンプレートが一覧表示される。この中から好きなテンプレートを選択する(サムネイルをクリックする)。
すると、そのテンプレートに含まれている「レイアウトの一覧」が表示される。PowerPointに比べるとバリエーションが豊富で、同じデザインでも“変化に富んだスライド”を作成できることを実感できるだろう。
スライドにデザインを適用するときは、これらの中から好きなレイアウトを選択すればよい。すると、そのデザインが右側の編集画面に反映される。最初は「タイトルスライド」として使えそうなレイアウトを選択するとよいだろう。
以上で、スライドのデザインを指定する作業は完了だ。あとは発表内容に合わせて「文字」や「画像」を差し替えていくだけ。これらの操作手順については、次回以降の連載で詳しく紹介してく予定だ。
なお、Canvaを利用するときは、テンプレートが2種類あることに注意しておく必要がある。
・誰でも使えるテンプレート
・有料プラン専用のテンプレート
サムネイルの右下に「王冠のアイコン」が表示されているテンプレートは、有料プラン(Canva ProまたはCanva for Trams)を契約しているユーザーだけが使えるテンプレートとなる。
無料プランのユーザーは、「王冠のアイコン」が表示されていないテンプレートの中からデザインを選択しなければならない(※)。これが無料プランの制約の一つとなる。
※有料プラン専用のサムネイルをクリックして「レイアウトの一覧」を確認することは可能。ただし、デザインを適用しようとした時点で「有料プランの契約を促す画面」が表示される。
別のテンプレートを適用するには?
スライドにデザインを適用した後に「別のデザインも確認しておきたい・・・」となるケースもあるだろう。もちろん、スライドのデザインはいつでも変更することが可能だ。
別のテンプレートを試してみたいときは、「←」をクリックしてテンプレートの検索画面に戻る。
続いて、適当なキーワードを入力してテンプレートを検索する。より多くのテンプレートをヒットさせたいときは、「シンプル」や「カラフル」、「ビジネス」などの抽象的なキーワードで検索したり、「水色」などの色名で検索したりするのも効果的だ。気になるテンプレートが見つかったら、そのサムネイルをクリックする。
そのテンプレートに含まれている「レイアウトの一覧」が表示されるので、この中から最適なレイアウトを選択する。
すると、以下の図のような画面が表示される。ここで「現在のページと差し替える」を選択すると、現在のスライド内容が破棄され、新しいデザインに置き換わる。「新しいページとして追加」を選択した場合は、現在のスライド内容がそのまま維持され、新たに追加されたページにデザインが適用される仕組みになっている。
なお、この際に注意すべきポイントは、「現在のページと差し替える」をクリックすると現在のスライド内容が破棄されてしまうことだ。
PowerPointの場合、スライドのデザイン(テーマ)を途中で変更しても、スライドの内容(文字や画像など)はそのまま維持される仕組みになっている。一方、Canvaの場合は、現時点の文字や画像が破棄され、テンプレートの内容がそのまま反映される仕組みになっている。
このため、スライドを編集した後に「テンプレートの差し替え」を行うと、もういちど文字や画像の編集作業をやり直す羽目になる。無駄な作業を行わなくて済むようにするには、「デザインの指定」→「文字や画像の編集」という順番でスライドの編集作業を進めていかなければならない。
「レイアウトのバリエーションが豊富」ということは、「各ページを構成する文字や画像の数が異なる」ということでもあり、これは「ある程度、仕方のない仕様」といえる。Canvaの編集方法に慣れるまでは、十分に注意しておく必要があるだろう。
ページの追加と削除
続いては、「タイトルスライド」に続く2枚目、3枚目・・・のスライドを作成するときの操作手順を紹介していこう。新しいページを追加するときは、画面下部にある「+」をクリックすればよい。
新しいページが追加されるので、好きなレイアウトを選択してデザインを適用する。このとき、必ずしも順番通りにレイアウトを指定しなければならない訳ではない。説明したい内容に合わせて好きなレイアウトを選択することが可能だ。
なお、状況によっては、現在使用しているテンプレートの「レイアウトの一覧」が画面に表示されていない場合もあるだろう。この場合は「←」をクリックしてテンプレートの検索画面に戻り、検索キーワードを削除すると、「最近使用した項目」を表示できる。
ここで現在使用しているテンプレートを選択すると、テンプレートを再検索しなくても、現在のテンプレートと同じ「レイアウトの一覧」を表示できるようになる。
念のため、ページを削除するときの操作手順も解説しておこう。「間違って追加したページ」や「不要になったページ」を削除するときは、そのページのサムネイルを右クリックして「1ページを削除」を選択すればよい。
必ず覚えておきたい操作
続いては、Canvaを利用するにあたって「必ず覚えておきたい操作」をいくつか紹介しておこう。
「文字」や「画像」の編集作業を行うときなど、スライドを大きく表示したいときは、以下の図に示した「<」をクリックしてパネルを閉じておくとよい。
すると、スライドの編集領域を広く使えるようになる。パネルを再表示したいときは、左端に並ぶアイコンをクリックする。たとえば、「デザイン」のアイコンをクリックすると、テンプレートに関連する操作のパネルを再表示できる。
スライド表示を拡大/縮小する機能も用意されている。スライドの表示倍率を変更するときは、画面右下にあるスライダーを左右にドラッグすればよい。また、「★★%」の部分をクリックして表示倍率を数値で指定したり、「全体表示」などに自動調整したりすることも可能となっている。
そのほか、直前の操作を取り消して「元に戻す」、取り消した操作を「やり直す」といった機能も用意されている。
これらの操作はショートカットキーで行うことも可能だ。
・元に戻す ・・・・・ Ctrl+Z
・やり直す ・・・・・ Ctrl+Shift+Z(またはCtrl+Y)
「間違えた操作を取り消したい」とか、「何ステップか前の状態に戻したい」といった場合に使える機能なので、この機能の使い方は必ず覚えておこう。Webアプリでも「Ctrl+Zが問題なく使える」というのは非常に喜ばしい話だ。
スライド一覧の表示方法
最後に「スライド一覧」の表示方法を変更するときの操作手順を紹介しておこう。各ページのスライドは、画面下部にサムネイルで一覧表示されている。この一覧を閉じると・・・、
各ページを「上下のスクロール」で移動できるようになる。もちろん、この状態のまま編集作業を続けていくことも可能だ。
この場合は、以下の図に示したアイコンで「ページの追加」や「ページの削除」といった操作を行う仕組みになっている。
今回の連載では、スライドのデザインに関連する操作について解説した。次に行うべき作業は、発表内容に合わせてスライドの「文字」を書き換えていく作業となる。ということで、次回は「文字の編集」について詳しく解説していこう。