]前回は、現場が抱える顧客対応の課題と顧客対応を効率化するヒントについて、ご紹介](https://news.mynavi.jp/techplus/article/CX_honshitsu-2/)しました。今回は、CX向上を目指す上で顧客対応を効率化するために、どのようにテクノロジーを活用していくかについて紹介します。

顧客対応業務を効率化する上ではある程度は人力でまかなえまずが、「CX」の向上を目的とした場合は人力だけでは難しくなってきます。そこで活用すべきなのが「テクノロジーの力」です。

顧客対応を効率化するテクノロジーとは?

顧客対応を効率化させつつ、CXを向上させるには人力だけでは不可能です。そこで必要になるのがテクノロジーの力です。昨今では第1回で説明したように電話、メール、チャットの手段において効率化させるテクノロジーを提供している企業が増えています。

電話であれば、着信した時点で発信元からその顧客の担当者に着信がある旨を知らせる機能で取次の手間をなくしたり、録音機能でスクリプト作成を効率化させたりといった機能がついたサービスが次々に登場しています。

メールであれば、受信したメールアドレスなどの情報から顧客の担当者にメールを振り分けたり、テンプレートを保存したりといったメールの顧客対応を効率化させる機能がついたサービスが存在します。チャットであれば、最近ではAIを活用したチャットボットの登場が目新しいでしょう。

このように顧客対応を効率化するのであれば、テクノロジーの活用は不可欠です。そして、このテクノロジーの活用によって、顧客との関係性に問題が起こることなく当たり前の活動が蓄積されていき、CXのさらなる向上につながっていくのです。

問い合わせメールは「漏れなく」「楽に」共有

紹介した手段のなかでも、メールに関しては問題発生後の影響が大きくなりがちです。やはり顧客からの問い合わせの確認漏れが起因となる対応不備に対するクレームは、他の手段ではなかなか起きることはありません。

そこで問い合わせメールの実態をラクスの調査データ(2020年9月実施)をもとに紹介します。

顧客対応をしている人の3分の1は、1日10通以上のメールに対応

以下は顧客対応を業務として行っている人を対象にメールでの問い合わせにどの程度対応しているかの調査結果になります(n=800)。同調査結果によると、全体の3分の1は10通以上のメールに対応していることが判明しました。ここに電話といった手段も入ってくるため、常にフル稼働で顧客対応していることが予想されます。

9割が複数人で問い合わせメールに対応

顧客対応におけるメールを何名で対応しているかに関する調査結果では、2人以上との回答が非常に多く、問い合わせメールに関しては基本的に複数人で対応することが多いことが分かりました。顧客対応を行っている人々にとってメールを1名で対応するのは運用的に難しいといったことが浮き彫りになりました。

半数以上が共有メールアドレスを利用していない

以下は顧客対応において「support@example」「info@example」といった共有(代表)メールアドレスを利用して、顧客対応したことがあるかという調査データです。実に半数以上が共有メールアドレスを利用していないことが分かりました。

となると、現状ではメールの確認漏れが発生しそうになったとしても、別の担当者が検知することもできないということになります。顧客対応数が多い現場であれば、少なくとも共有メールアドレスで顧客対応を行った方が良さそうです。

これらの調査から多くの問い合わせメールを複数人で対応している人々にとって、CX向上を阻害する大きな問題を起こさないためにも、まずは共有メールアドレスでの顧客対応を行う必要があります。

そこからよりCX向上につなげるためには、メール共有システムの活用もおすすめです。メール共有システムでは、メールごとの担当者設定機能や自分と他の担当者のメールの対応状況の見える化機能により対応漏れをゼロにしつつ、問い合わせメールの対応業務の効率化が実現できます。

CX向上は当たり前の活動の蓄積

今一度考えるCXの本質として、3回にわたってCXの向上から顧客対応の効率化まで解説しました。

CXに本格的に取り組めていない企業も多いかと思いますが、本文で触れた通り「CXの向上は当たり前の活動の蓄積」につきます。

まずは、当たり前の活動をしっかりできているかを見直しつつ、稼働が問題でできていないようなら、効率化のためにテクノロジーを導入することも検討してみましょう。