当社の工場の隣にある公園ではドングリが大きくなってきました。季節に合わせた小物を3Dプリントするのもたのしいですね(図1)。大田区3Dプリンタメーカ スマイルリンクの大林万利子です。
おかげさまでコラムも今回で9回目をむかえました。初回からパーソナル3Dプリンタの構造、セットアップの方法や素材等についてお話してきました。
今回からはプリントするための「データ作り」についておはなししたいと思います。今回も当社3Dプリンタ「DS.1000」を例にお話しします。
イベントに出展しているとデータについてのご質問をよく頂きます。
- 「デジカメで写真をとればそれがデータとして使えるのか?」
- 「3Dプリンタを買うとデータをつくるソフトもついてくるのか?」
- 「3Dデータをつくるソフトが高いんでしょ?」
- 「3Dのデータ作りはCADを覚えなくてはならなくて大変なんでしょ?」
などです。
まずはこれらの質問にお答えします。
1.「デジカメで写真をとればそれがデータとして使えるのか?」
デジタルカメラで撮った画像1枚をそのまま3Dプリンタでプリントすることはできません。何枚かをソフト上で組み合わせたり、写真から3Dデータをつくるというサービスなどははじまっています。
2.「3Dプリンタを買うとデータをつくるソフトもついてくるのか?」
3Dプリンタには3Dデータをつくるソフトは入っていません。
オリジナルのデータをつくるには、3DCADもしくは3DCGソフトで3Dデータをつくることが必要です。
ちょっとわかりにくいので流れを下図(図2)にまとめました。混同しやすいのですが、紙のプリンタでもおなじみのプリンタドライバは3Dプリンタでも使います。そのプリンタドライバソフトは3DプリンタにUSBメモリとして同梱されています。それをお持ちのパソコンにインストールして頂きます。
3.「3Dデータをつくるソフトが高いんでしょ?」
3Dデータをつくるには、主に3DCADソフトもしくはCGソフトをつかうのが一般的です。最近は無料のCADソフトが多数でています。私が知っているだけでも、TINKER CAD、FreeCAD、Autodesk123Dなどなど沢山あるので利用してみてはいかがでしょうか。
4.「3Dのデータ作りはCADを覚えなくてはならなくて大変なんでしょ?」
確かに3DCADもしくはCGソフトの使い方を覚える必要はあります。ただ3Dプリンタでの造形が目的であれば、これまで製造業などで使ってきた大がかりなCAD機能すべてが必要なわけではありません。スマイルリンクでは、CADに取り組んでみたいという方のために、TINKERCADとFreeCADという2種類の無料CADソフトを選定。CADでの設計後に3Dプリンタで出力するワークショップを定期的に行っています。
3Dデータづくりの準備(TINKER CAD)
TINKERCADのワークショップの手順でデータ作りのやり方をご紹介しましょう。
まずパソコンでTINKER CADページに入ってユーザー登録をします。TINKER CADはWebベースのCADですので、ソフトのインストールは必要ありません。インターネットに接続してユーザー登録してあれば、過去のデータをどのパソコンからでも呼びだすことができ便利なのです。たまに調整中などの理由で使えないことがありますのでご注意ください。
なお我々の経験では、ブラウザはインターネットエクスプローラよりもGoogle Chromeの方が相性がいいようです。詳細はTINKER CADのページにてご確認ください。
さあ画面をみてみましょう。
右側にオブジェクトの一覧があります。ここにある丸とか四角とかのパーツをあわせてカタチをつくります。
今回は自分専用ペン立てをつくります。自分のペンに合わせて設計するために、まずは自分のペンの直径を計測。私のペンは10mmだったのでこれに合わせて設計します。肉厚を残すため少し大きめの14mmの円柱をかいてスタートします。
次回につづきます。