Office 365のSharePoint Onlineでは、ファイル共有以外にも様々な情報共有を図ることができます。SharePoint Onlineは、基本的にはWebサイトであり、データベースを装備し、主にイントラネットを対象とした様々なコンテンツを簡単に制作できるテンプレート、アプリを備えています。もちろん、その気になれば詳細なカスタマイズも可能です。
WordPress等のブログ制作Webアプリケーションの制作経験があれば、WordPressの高機能版と考えるとイメージしやすいかもしれません。また、Office 365(あるいはActive Directory)のユーザー管理と連携することで、有用で高度なサイトを簡単に作成できます。組織の実態に合わせて部署毎にサイトを作成したり、当該部署の担当者にサイトの管理権限を委譲することも出来ます。
初めてSharePoint Onlineのサービス(ニュースフィード、サイト、SkyDrive Pro)にアクセスするときは、サイトの初期設定のためのプログラムが自動起動するため、使用できるようになるまで数分かかります。
※外部(インターネット)に公開するWebサイトを制作することも出来ます。
なお、ニュースフィードは、あらかじめ用意してある社内コミュニケーションサイトで、Office 365のテナント(組織)内でのみ使用できるSNSです。社内版facebookと考えればいいでしょう。
※マイクロソフトが組織内SNSサービスの大手Yammerを傘下に収めたことにより、Office 365の「ニュースフィード」をYammerに差し替えることも出来ます。Yammerについては以下のURLを参照して下さい。
SharePointで作成できるサイト
SharePointで簡単に作成できるサイトには、主に以下のような種類がありますが、随時追加されており、まだまだ増え続けています。
(1)ドキュメントの共有
ファイルやフォルダの共有機能です。SkyDrive Proと基本的に同じもので、使い方もほぼ同じです。ただし、SkyDrive Proは既定の設定でユーザー個人のWebストレージとなりますので、フォルダやファイルを共有するためには明示的に共有設定をしなければなりません。サイトのドキュメント機能では、基本的にサイトに招待したユーザー全員の共有フォルダとなります。
(2)タスク管理
サイトメンバーの共通タスク(仕事)とその期限を登録しておくことにより、業務の情報共有を図ります。
(3)予定表
サイトメンバーの共通スケジュールを登録し、サイトの全員がスケジュールを共有できるようにします。Outlook 2013を使用しているとき、「Outlookに接続」をクリックすると、Outlook 2013からSharePoint予定表をアクセスできるようにOutlook 2013を自動セットアップします。
(4)ディスカッション掲示板
いわゆるBBSです。メッセージを投稿したり、コメントを付けたりして、メッセージをスレッドで管理できます。
他にも、多数のコンテンツが用意してあります。
SharePointでサイトを設定するパターン
SharePointでサイトの運用を開始する手順は、以下のようになります。
1.サイトを作成する。
サイトの中に別のサイト…サブサイトを作成し、サイトを階層化することもできます。サイトは管理者でなくても、誰でも作成できます。
2.サイトに参加するユーザーを招待する。
Office 365のユーザー、あるいは匿名ユーザーにアクセス権を設定します。
3.サイトにコンテンツを作成する。
サイト内に、必要なコンテンツを作成します。1つのサイトの中に、共有カレンダーや電子掲示板など、複数のコンテンツを作成できます。
コンテンツの作成は、スマートフォンやタブレット端末で言うアプリのインストールに似ています。
(1)Office 365にサインインし、右上の「サイト」タブをクリックします。「チームサイト」をクリックして組織既定のサイトを編集するか、「+新しいサイト」をクリックして、新しいサイトを作成します。
(2)サイトの作業画面に移ったら、サイトに参加するメンバーを招待するために、「サイトの共有」をクリックします。
(3)テキストボックスをクリックし、メンバーにするユーザーを追加登録します。また、権限を設定するときは「オプションの表示」をクリックします。追加するユーザーを入力したら「共有」をクリックしてください。
(4)ユーザーの招待設定が終了すると、招待されたユーザーには自動的に招待メールが届きます。招待メールの「~に移動」をクリックすると、招待されたサイトに接続できます。
(5)チームサイトのロゴマークやタイトルを変更するには「サイトの説明とロゴの設定」をクリックします。
(6)必要事項を入力し、「OK」をクリックします。
(7)必要に応じて、用途に合ったコンテンツを作成します。初期設定でサイトのトップページには「期限の設定」や「コンテキスト内電子メールの保持」の作成アイコンが表示されていますが、「リストやライブラリ、その他のアプリを追加」をクリックすると、多数のアプリから目的に合ったコンテンツを選択して追加できます。
当記事執筆時点で用意されているアプリの一覧。
※高度なカスタマイズ機能も装備しており、上記以外のパターンのサイトも制作できます。