Office 365の契約準備

今回は実際にOffice 365に申し込んでみます。30日の無料試用期間があるので、その間にテストをしたり、感触を試したりできます。ただし、Office 365の運用には、基本的に独自ドメイン名が必要なので、試用目的であってもドメイン名を取得しましょう。

また、1つのOffice 365サイトに複数のドメイン名を割り当てたり、Office 365で使うドメイン名を変更したりできます。試用後に本番用のドメイン名に変更するのも容易です。 注意が必要なのは、Lyncを利用するためには、DNSサーバにSRVレコードを設定しなければならないことです。Lyncはマイクロソフトのインスタントメッセンジャーサービスですが、単に在籍確認をしたりチャットに利用したりするだけでなく、ファイル共有などの高度な機能があります。レジストラのDNSサーバを利用する場合には、レジストラのDNSサービスがSRVレコードに対応しているかどうか確認してください(※Lyncを利用しないのであれば、SRVレコードは不要です)。

大まかな作業の流れは以下の通りです。

1.レジストラでドメイン名を取得。
2.Office 365を契約してドメイン名を設定。
3.Office 365から指定されたレコードをDNSサーバに登録して、ドメイン名認証。

Office 365からDNSサーバにアクセスしてレコードを確認します。DNSレコードを登録してもすぐに参照できるわけではありませんので(いわゆるDNSの浸透時間が必要)、ある程度まとまった時間をとれるときに作業をした方がいいでしょう。順調に済めば15分~30分ぐらいで終わる作業ですが、DNS浸透に時間がかかると数時間かかることもあります。

ドメインキングでのドメイン名取得

今回は、SRVレコードの編集をできるレジストラとして、ドメインキングを利用します。

ドメインキングで新規にドメイン名を取得することもできますし、他のレジストラで管理しているドメイン名を移管することもできます。今回は、ドメインキングで「mynavi365.com」というドメイン名を取得します。

(1)ドメインキングにアクセスして、ページ右下の「取得希望のドメイン名をご入力ください」に、取得したいドメイン名を入力して「検索」をクリックします。

ドメインキングにアクセス

取得したいドメイン名を入力して「検索」

(2)取得できるドメインの一覧を表示するので、「このドメインで申し込む」をクリックして、申し込みます。

ドメイン名を取得

(3)以降、画面の指示に応じて申込者の情報や支払い方法などを入力し、ドメイン名とドメインキングのアカウントを取得します。難しい手続きはありません。ドメインキングのDNSサーバを利用するときは、STEP5で「当社のネームサーバーを利用する」をクリックして選択します。

ドメインサーバの各種設定

(4)申込完了。ドメインキングの場合、ID、パスワード、サポート連絡先などの情報は別途メールで届きます。

申込完了

Office 365の申し込み

次にOffice 365の申し込みをします。

(5)Office 365のポータルサイトにアクセスし、希望のプランの「30日間無料お試し」をクリックします。今回の例では、プランP2を申し込みます(プランの詳細は、連載第1回の記事を参照)。

Office 365のポータルサイト

(6)申込者の情報を入力して、アカウントを作成します。ユーザーIDの「@」と「onmicrosoft.com」の間のサブドメイン名は、Office 365のために取得したドメイン名と共通性を持たせるのがいいでしょう。

アカウントの作成

ドメイン名の所有の確認

Office 365に登録しようとしているドメイン名が、不正利用されていないか所有者を確認する手続きになります。

(7)「このリストから会社を選択します」で、対応するレジストラを選択します。利用するレジストラがリストにないときは「一般的な手順」を選択します。

ドメイン名の購入先

(8)DNSサーバに登録する情報を確認します。Office 365のこの画面を開いたまま、別ウインドウでドメインキングのコントロールパネルを開くと作業しやすいでしょう。この情報をドメインキングのDNSサーバに登録します。指定した情報がDNSサーバに登録されていることを確認することによって、Office 365は当該ドメイン名の所有者(管理者)であると見なします。

DNSサーバの設定が済んでから、ページ末尾の「完了しました。今すぐ確認してください」をクリックします。」

登録情報の確認

(9)ドメインキングにログインし、「システム」の「すべてのマイドメイン」をクリックします。

ドメインキングにログインし、「システム」の「すべてのマイドメイン」をクリック

(10)Office 365で使うドメイン名をクリックします。

Office 365で使うドメイン名をクリック

(11)「DNSゾーン」をクリックし、(8)で確認したレコードを新規作成するために「新しいレコード」をクリックします。

「新しいレコード」をクリック

(12)Office 365から指定されたTXTレコードの内容を入力し、「保存」をクリックします。

TXTレコードの内容を入力し、「保存」をクリック

(13)新しいTXTレコードが追加されました。

新しいTXTレコードが追加

(14)TXTレコード登録後、少なくとも5分以上経過してから、Office 365のウインドウに戻り、「完了しました。今すぐ確認してください」をクリックします。DNSの変更が浸透するまではある程度時間がかかります。

Office 365のウインドウに戻り、「完了しました。今すぐ確認してください」をクリック

(15)Office 365による確認で、まだ確認用レコードを確認できない場合。時間をおいて「再試行」をクリックしてください。

レコードを確認できない場合。時間をおいて「再試行」をクリック

(16)Office 365がドメインの所有を確認した場合。「完了」ボタンをクリックします。

ドメインの所有を確認し、「完了」ボタンをクリック

Office 365のセットアップ

Office 365で独自ドメインを使用できるようにセットアップします。

(17)手順1が完了しました。「手順2を開始する」をクリックします。

「手順2を開始する」をクリック

(18)「更新」をクリックして、メールアドレスに独自ドメイン名を割り当てます。Office 365ではデフォルトメールアドレスがログオンアカウントとなりますので、この後、一度ログオフして、新しいアドレスでログオンし直します。

メールアドレスに独自ドメイン名を割り当てる

次回からは、Office 365の最も基本的な機能、メール機能の利用を紹介します。