NECと東レエンジニアリングは、2024年8月から11月の期間にかけて、設計業務の効率化と技術伝承を目指し、NECが開発した「Obbligato」と生成AIを使った検証プロジェクトを実施した。本稿では、その取り組みの概要と見えてきた課題や効果を紹介していく。
Obbligato×生成AIの取り組み
今回のプロジェクトの主軸となったObbligatoは、開発プロセス改革に取り組む日本の顧客の声を継続的に製品強化に反映しながら、30年以上にわたって販売・サポートしているPLM(製品の企画や設計から生産、販売、廃棄に至るまでのライフサイクル全体を統合的に管理する仕組み)ソリューション。
企画~設計~生産~保守に至る製品ライフサイクル全般にわたり、ものづくりの基準情報であるBOM(Bill Of Materials)とBOP(Bill of Process)を核に、多種多様な技術情報を連鎖・集約・共有し、エンジニアリングチェーンとサプライチェーンをつないで、変動対応力・競争力を強化することができるという特徴を持つ。
両社が行った検証プロジェクトは、東レエンジニアリングが導入済みだったObbligatoとLLM(大規模言語モデル)を連携させ、Obbligatoが選択したドキュメントに登録されているファイルをLLMを用いて要約するとともに、技術情報に関する質問に対しLLMが過去の製品開発で蓄積された情報をもとにチャット形式で回答するかを検証するというもの。