NXP Semiconductorsは1月7日(オランダ時間)、ソフトウェア・デファインド・ビークル(SDV)向けにセーフティ・クリティカルなシステムの開発やミドルウェア開発をてがけるオーストリアのTTTech Autoを6億2500万ドルの全額現金で買収する最終合意に達したことを発表した。

現在、自動車業界は従来のハードウェアをベースとした開発体制から、ハードウェアとソフトウェアが高度の相互接続されたプラットフォームベースの開発に向かいつつある。ハードウェアに依存しない開発が可能になることで、機能のアップグレードやデータを活用したサービス、クラウドネイティブ開発などが可能となり、こうした動きを踏まえたSDV市場は2024~2027年の年平均成長率(CAGR)は48%と予測され、2027年には全世界の自動車生産台数の45%をSDV車両が占めるまでに成長するという予想も出されている。

こうした激変する環境下において自動車メーカー各社は競争に勝ち残るために複雑化するソフトウェアの統合を安全かつ確実に行いつつ、高い拡張性と迅速な市場投入を実現する新たなSDVプラットフォームとアーキテクチャを採用することを求めるようになっている。そのため、NXPでも車載プロセッサ・ファミリ「S32」、ネットワーク製品、システム・パワー・マネージメント製品を包括するオープンSDVプラットフォーム「NXP CoreRide」を発表するなど、SDVへの対応を進めてきている。

TTTechはNXP CoreRideのソフトウェア・パートナーのコミュニティに参加する企業の1社で、今回の買収により今後NXPがTTTechの安全性と統合に関するノウハウを受け継ぐことで、NXP CoreRideのエコシステムはハードウェアとソフトウェアがさらに緊密に統合されるというメリットを享受できるようになり、自動車メーカーのSDV開発の効率向上を可能にするとNXPでは説明。例えば、TTTechのミドルウェア・プラットフォーム「MotionWise」は、車載向け高性能コンピューティング・プラットフォームにおけるソフトウェア・デプロイメントの自動化機能を備えるなど、SDVのシステム統合を管理できるように設計されており、セーフティクリティカルな機能の動作を最優先としながら、シームレスな機能の統合も確保するという。また、自動車メーカーは車種を超えたソフトウェアの効率的な拡張、セーフティ・クリティカルな機能の効率化、移動、追加を容易に行うことが可能となるが、これらはすべてセーフティ・バイ・デザインのアプローチによって開発・実現されているという。

この記事は
Members+会員の方のみ御覧いただけます

ログイン/無料会員登録

会員サービスの詳細はこちら