〈 コロナ禍を経て4期連続増収増益の見通し 〉AOKIホールディングス社長・田村春生「グループシナジーの最大化を目指して」

初の中期経営計画を公表

 コロナ禍で人々の行動様式が大きく様変わりしました。当社グループの例えば、エンターテイメント事業のカラオケでは深夜帯の利用客は十分には戻っていません。やはり、ビジネスパーソンの二次会利用が減少しているように思えますし、これは一時的ではなく、ある程度続いていくものだと認識しています。

 また、複合カフェは地方の郊外店の利用の戻りが弱かったのですが、少し遅れて戻ってきているように思います。ブライダルは一組当たりの人数はなかなか戻りきらない状態である一方、一人当たりの単価は上がり、こだわりある部分にお金をかける傾向があるのだと思います。

 そして、特にファッション事業の場合、季節要因で売上が左右されることも多いわけですが、今は比較的値段の高いものをご購入されるお客様と、リーズナブルなものを求めるお客様で二極化しているように思います。

 そうした状況下、わたしも社長就任から2年が経ち、着実に足元を固め、安定した業績を出せるような体制づくりに努めてきました。おかげさまで今期(2025年3月期)業績は4期連続の増収増益を予想しています。

 2024年5月には当社で初となる中期経営計画の対外公表をさせていただきました。これは単に対外的な数字目標を掲げるだけでなく、社員に向けたメッセージでもあります。人口減少など、どうしても国内マーケットがシュリンクしていく中でも、何とか上向きになるような施策を示しました。

 例えば、創業事業であるファッションは、コアであったスーツの販売着数は以前に比べると減少傾向にあり、レディースやカジュアルアイテムの需要が増えています。ですから、売上の6割くらいがビジネス向けになっている現状を、今後は「ビジネス4、レディース3、カジュアル3」くらいの比率にしていきたいと考えています。

 ただ、そこまで行くには時間がかかりますので、当面、複合カフェを中心としたエンターテイメント事業で補っていきます。この他、結婚式場『アニヴェルセル』のブランド力もまだまだ生かすことはできると思いますし、長期的な時間軸で経営戦略を考えられるのが、複数の事業セグメントを持つメリットだと思います。

 また、ファッション事業を始めとするチェーンストアビジネスで培ってきたノウハウや出店情報、人財を育てる研修システムなど、グループ内に多くの財産がありますから、今後もグループシナジーの最大化を目指していこうと考えています。

 当社グループは様々な事業を行っていますが、それぞれの事業でこれからも顧客ニーズに対応した商品、サービスを拡充していくことが大切であると認識しています。

 近年、グループの主力事業に育った複合カフェ事業(『快活CLUB』)にしても安全、安心を重視した女性専用スペース、完全個室の導入等により、女性、シニア層へ顧客層を広げ、また利用機会についても、ビジネス利用はもちろん、インバウンド需要の取り込みも狙っています。

 やはり、当社はBtoC(消費者向けビジネス)の会社。そして、接客サービスをメインとする会社ですから、全ては"人"につきます。

 当社には『人々の喜びを創造する』というグループコンセプトがあります。今後もこうした原点を忘れることなく、社員の皆さんが安心して、誇りを持って働けるような会社にしたいと考えています。

VAIO社長・山野正樹「PCメーカーとして価格以上の価値を伝え、信頼できる商品をつくり続けることが大事!」