2025年の年頭にあたり、チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズは年頭所感として、以下を発表した。

新年、明けましておめでとうございます。日頃より皆様のご支援に心より感謝申し上げます。

2024年は、パートナーやお客様との関係を一層深めることができ、実り多い一年となりました。2025年も、セキュリティ課題に真摯に取り組み、最適なソリューションを提供できるよう努めてまいります。

昨年、年次イベント「CPX 360」をバンコク、ウィーン、ラスベガスの3都市で開催し、日本でも「CPX Japan」を実施しました。この場で、複数のセキュリティソリューションを統合する「Check Point Infinity Platform」を発表し、包括的なセキュリティアーキテクチャの重要性を提唱しました。

2024年には、「Infinity Platform」の強化を進めました。10月には、外部リスク管理ソリューションのパイオニアであるCyberintを買収し、セキュリティオペレーションセンター(SOC)の機能を大幅に強化しました。これにより、AIを活用して盗まれた認証情報や偽のウェブサイト、ソーシャルメディアのなりすましなどのセキュリティ課題に対処できるようになりました。

また、防御力を高めるため、AIを活用した「Check Point Quantum Firewall Software R82」の提供を開始しました。これにより、フィッシングやマルウェア、DNSエクスプロイトなどのゼロデイ脅威を防止する新たなAIエンジンを「Infinity Platform」に組み込みました。

さらに、生成AIの利用が拡大する中、セキュリティ業界に先駆けて取り組みを進めてきました。会話型のセキュリティ運用アシスタント「Check Point Infinity AI Copilot」は、セキュリティ管理と脅威の解決を自動化・迅速化するために設計され、提供を開始しました。また、企業での生成AI活用をセキュリティ面からサポートする「Check Point GenAI Protect」を発表し、管理者がリスクの高い生成AIアプリケーションを特定し、データ損失を防ぐための対策を支援します。

脅威が増加し続ける中、企業はインテリジェントなソリューションを必要としています。Quantum Firewall Software R82からGenAI Protectまで、チェック・ポイントのAIを活用した脅威対策ツールは、世界最高水準のイノベーションを提供し、運用のシンプルさと堅牢性を追求しています。

これらの成果は、日頃からご支援いただいているお客様やパートナー企業の皆様のおかげです。心より感謝申し上げます。

昨年は、組織の規模を問わず、さまざまなサイバーインシデントが報道されました。特に大規模なランサムウェア攻撃は、経営者の皆様にサイバーセキュリティの重要性を再認識させる出来事だったのではないでしょうか。弊社の調査チームCheck Point Research(CPR)は、ランサムウェア攻撃がこれまで以上に標的を絞り、自動化も進んでいくと予測しています。重要なサプライチェーンを狙い、業界全体に影響を及ぼす大規模なランサムウェア攻撃が一般的になる可能性があります。

2025年、AIは攻撃と防御の両方で重要な役割を果たすでしょう。セキュリティチームは、各組織の環境に最適化されたAI搭載のセキュリティツールを活用して防御を強化する一方、攻撃者もAIを駆使してより巧妙なフィッシングやディープフェイクによる攻撃を仕掛けると予測されます。さらに、攻撃者は見過ごされた脆弱性やサービスアカウント、マシン間のアクセスキーを悪用して水平移動を図り、防御はより一層困難になるでしょう。サイバー脅威の進化と巧妙化が加速する今日、組織には予防的な防御態勢の強化と、高度化する第5世代の攻撃や新種の脅威への迅速な対応が求められています。

チェック・ポイントは今年も引き続き「Infinity Platform」の重要性を提唱します。私たちのプラットフォームは、包括的(Comprehensive)、統合的(Consolidated)、協働的(Collaborative)という3つの原則に基づいて構築され、ネットワーク、クラウド環境、エンドポイント、モバイルデバイスにまたがる脅威の防御、検知、対応を統合したソリューションを提供します。また、統合管理コンソールは、セキュリティ運用の複雑さを軽減し、より優れた脅威の検知と対応を実現します。

この包括的・統合的・協働的なセキュリティプラットフォームを通じ、チェック・ポイントは、2025年も変化するサイバー脅威環境の中で、お客様が自信を持って事業の継続と成長を実現できるよう、全力で支援いたします。それにより、日本社会全体のセキュリティ向上と、お客様の競争力強化を実現してまいります。

本年も、変わらぬご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。