長谷工とブリヂストンが連携 共創レジデンスでロボット実証

「ウェルビーイングの観点でシナジーがあると考えた」と話すのは長谷工コーポレーション都市開発部門不動産投資事業部事業開発部部長の小島智枝子氏。

 マンション建設大手の長谷工と、大手タイヤメーカー・ブリヂストンの初めての社内ベンチャーである「ソフトロボティクス ベンチャーズ」が連携して、ロボット実証を行った。

 舞台となったのは、長谷工が東京都赤羽で開発した共創型レジデンス「コムレジ赤羽」。このレジデンスは「社会人棟」、「学生棟」、「賃貸棟」の3棟構成で、あえて人が交流する仕組みを導入し、そこからシナジーを生み出すことを目指した物件。

 一方、ソフトロボティクス ベンチャーズが開発したのは通称"柔らかいロボット"の「umaru」。ブリヂストンが開発した「ゴム人工筋肉」を使った、いわばロボットハンモック。利用者がumaruに横たわると、ゴム人工筋肉が全身を包み込んで上下動し、リラックス効果を得られるというもの。

 この「umaru」を、「コムレジ赤羽」の1階ラウンジに置き、その場所の利用シーンの多様化や、居住者同士の会話、交流、共創の促進につながるかというのが実証の内容。

 結果、「リフレッシュ効果がある」と回答した体験者が約95%、「ストレス解消効果がある」と回答した体験者は約80%となった。さらに、誰かに話したくなるという回答が約55%、コムレジ赤羽にumaruがあり続けて欲しいという回答が約75%に上った。

「皆さんがイメージする機械的な『硬いロボット』ではなく、『ゴム人工筋肉』の活用で皆さんに触れていただくことができるのが『柔らかいロボット』」とはソフトロボティクス ベンチャーズCEOの音山哲一氏。

 ブリヂストンは「ゴム人工筋肉」の「強くて柔らかい」特性を生かして、umaruのような個人の体験分野だけでなく、物流施設や自動車部品工場など企業向けの用途も探索している。

 ウェルビーイングは今の時代の新たなニーズ。異業種の連携で新たなニーズに応えることがより一層求められている。