京王電鉄がAI(人工知能)を活用し、駅係員サービスの実証実験を行っている。実験は12月から年明け3月までの3カ月間。橋本駅(神奈川県相模原市)と京王多摩センター駅(東京都多摩市)で、人手不足が続く駅係員の案内業務をサポートすることが目的だ。
実験では、AIアバター(分身)を搭載したタッチパネルディスプレイを設置。生成AIを活用して乗客の複雑な問い合わせに自動で応答したり、多言語機能でインバウンド需要に対応できる。今回の実験では日本語の他、英語・中国語・韓国語に対応。駅係員に扮したアバターに話しかけると、自動でAI駅係員が応答する仕組み。
近年、少子高齢化に伴う労働人口の減少や、インバウンド(訪日観光客)需要の高まりによる外国人の乗客増加によって、駅係員に求められる案内業務が高度化している。
京王電鉄ではDX(デジタルトランスフォーメーション)活用による駅係員の案内業務サポートを重要課題と捉えており、日立製作所と連携。乗り換え案内などのニーズが高い橋本駅と、テーマパークがあり、インバウンドの利用も多い京王多摩センター駅で実証実験を行うことにした。
京王電鉄は「電車の時刻表や乗り換え案内、駅周辺の施設案内や目的地までの移動経路など、お客さまが求める情報をタイムリーに提供し、お客さまの快適な駅利用の実現を目指す」としている。
人手不足が続く産業界にあって、AIなど、テクノロジーの活用が人手不足解決の一助となるか。