『航空は人と物がスムーズに動けるように するもの。旅客も貨物も全方位で』
「米中対立下でも人や物は確実に動いている。人と物がスムーズに動ける『全方位外交』なネットワークを構築していきたい」
コロナ禍の3年間で最も打撃を受けた業界の1つが航空業界。今ではインバウンドや国内旅行の復活で光明が見えつつある。ただ、ロシアのウクライナ侵攻や円安での燃料費などの高騰や整備費、人件費といった営業費用が収益を圧迫する。
例えば、ANAの羽田―ロンドン線はロシア上空を迂回するルートを通っており、従前に比べて2~3時間ほど飛行時間が延びている。その分、燃料費もかかり、パイロットも追加で配置しなければならない。それでも同社は交流を持続させるために運休という選択肢は取っていない。
また、新規ルートの開拓にも積極的。24年12月から羽田ーミラノ・ストックホルム・イスタンブール線に新規就航し、欧州路線を大幅に拡大する。これらの新規就航する3路線は、いずれもコロナ前に就航を予定していた路線。片野坂氏からすれば、日本と各国との交流を生み出すために新規路線で「つなぐ」という点を強調する。
「エアラインは平和産業」と話す片野坂氏。25年は航空会社としての使命を果たす年になる。