『行き止まりの街ではいけない。 街はオープンでないと発展しない!』
東京都心では各地で大規模な再開発が続いている。東京、品川、新宿、池袋、虎ノ門など。その中で「100年に一度の大改造」と言われ、日を追うごとに駅周辺の街並みが変貌を遂げているのが渋谷だ。
その渋谷を拠点とする東急は12年の「渋谷ヒカリエ」を皮切りに「渋谷ストリーム」や「渋⾕スクランブルスクエア第Ⅰ期(東棟)」が完成。24年も駅東口側で宮益坂・明治通り・青山通りの幹線道路に囲まれる渋谷二丁目17地区市街地で新ビル「渋谷アクシュ」が開業した。
これらの複合施設の共通キーワードが「オープン」「つなぐ」だ。野本氏は「行き止まりの街ではいけない」と発破をかけ、全てのビルと駅が空中デッキでつながる導線の整備にも力を入れてきた。渋谷を訪れた人たちが1つのビルに滞在するのではなく、街中を回遊するような仕掛けだ。
27年度には旧東急百貨店跡地の「渋谷アッパーウエストプロジェクト」「渋谷スクランブルスクエア中央棟・西棟」の竣工・開業まで大型ビルの開業予定はない。だが、すり鉢状の底にある渋谷駅を中心に、「上下左右、縦横無尽にストレスなく歩き回れる街が誕生する」と野本氏。
渋谷という独特な地形を生かした、渋谷ならではの街づくりは30年頃には完成形を世に見せる。