日立製作所の子会社で送配電機器を手掛ける日立エナジーは12月24日、ドイツの送電事業者アンプリオンから、HVDC(高電圧直流)変換所4基を20億ユーロ超で受注したことを発表した。同社は、ドイツのハイデ~ポルスム間のV48連系線と、ヴィルヘルムスハーフェン~ハム間のV49連系線で構成される「コリドーBプロジェクト」に、自励式HVDCシステム「HVDC Light」を用いた2GW・525kVのHVDC変換所4基を提供する。変換所の運転開始は2030年初めを予定している。
コリドーBは、ドイツ北部のシュレースヴィヒ=ホルシュタイン州とニーダーザクセン州の北海沿岸からルール地方へ電力を送るHVDC連系プロジェクトで、2本の地中ケーブルに各2基の変換所が設置される。完成後には、ドイツ北部の風力発電による電力を西部の産業地帯に供給する計画で、合計400万世帯分の電力が送電可能となる。また、予備線を活用することで、最大4GWの追加送電容量も確保できるとしている。
今回の受注には、日立エナジーのサービスソリューション「EnCompass」の提供も含まれており、長期的なパートナーシップへのコミットメントや、信頼性の高い革新的なエネルギーサービスソリューションの提供実績が基盤となっている。