LINEヤフーは12月19日、越境EC事業を展開するBEENOの株式公開買付け(TOB)を行うと発表した。2025年2月末を目途に公開買付けの開始を目指しており、BEENOSを完全子会社とし、越境ECを中心とした新たな事業シナジーの推進を目指す。
LINEヤフーは、BEENOSの完全子会社化を目的とする一連の取引の一環として、BEENOSの普通株式および新株予約権を公開買付け(TOB)により取得する。2025年2月末を目途にTOBを開始し、全株取得を目指す。買付価格は1株あたり4000円で、買収額は約540億円を見込んでいる。
LINEヤフーは、2023年10月にLINEやヤフーなどのグループ会社による再編を経て誕生した、日本最大級のテックカンパニー。「『WOW』なライフプラットフォームを創り、日常に『!』を届ける。」をミッションに掲げ、検索・ポータル、Eコマース、メッセンジャー、広告など、多様な領域において事業を展開してる。
取扱高1兆円のリユース事業も展開しており、2023年11月には「ヤフオク!」を「Yahoo!オークション」に、「PayPayフリマ」を「Yahoo!フリマ」に変更し、サービス名を「ヤフー」ブランドに統一した。これにより、サービス間での連携を一層強化している。
BEENOSは、「日本と世界を繋ぐグローバルプラットフォームを創る」というビジョンを掲げ、人・モノ・体験を「日本から海外へ」「海外から日本へ」と双方向に繋ぐ架け橋となる”グローバルプラットフォーム”を企業や個人に提供することで、国境を越えたビジネス展開を支援している。
中でも、BEENOSの子会社tensoが運営する海外居住者向け商品の購入サポートサービス「Buyee」は、長期にわたり日本国内の商品と海外からの購入者をつなぐ重要な役割を果たしている。その他、BEENOSの子会社BEENOS Entertainmentが、エンターテインメント業界向けに特化したECプラットフォーム「Groobee(グルービー)」の提供や、日本のアーティストグループの公式グッズの販売サイトを運営する事業を行っている。
LINEヤフーは、BEENOSを完全子会社とすることで、越境ECを中心とした新たな事業シナジーを推進していくとし、具体的な取り組みとして、LINEヤフーが提供する各コマースサービスを通じて、海外でニーズが高い国内商品の販路を拡大する。タイなど東アジアの一部で高い利用率を有する「LINE」とも連携を図ることで、海外ユーザーへアプローチもでき、顧客層の一層の拡がりが期待できるとしている。
さらに、越境EC市場におけるBEENOSのノウハウや知見をとりいれ、両社が共同マーケティング活動を展開することで、「Buyee」をはじめとしたBEENOSのサービスと、LINEヤフーのサービスの間でさまざまなシナジー効果が期待できるうえ、LINEヤフーが提供する各サービスと、BEENOSが展開するエンターテインメント事業との連携も検討する。
両社が連携して事業を推進し、企業価値の向上に努めていくとし、BEENOSの日本と世界をつなぐ知見を最大限活用して、LINEヤフーのサービスを世界のユーザーに届けていく考えを示した。