韓国の半導体関係者情報として、Samsung Electronicsのデバイス・ソリューション(DS)事業部が、半導体生産の心臓部と呼ばれる組織「グローバルインフラ総括」を2025年上半期にも既存の東灘から平澤キャンパスへ移転させる模様だと韓国メディア「毎日経済新聞」が報じている

同組織は、エネルギー管理から設備投資、メンテナンスといった半導体インフラを構築するための組織で、世界最大級の半導体生産拠点である平澤キャンパスを中心に半導体事業を再編する狙いがあるとみられる。

  • Samsungの平澤キャンパス全景

    Samsungの平澤キャンパス全景 (出所:Samsung)

東灘に同組織がある理由は「核心半導体ベルト」と呼ばれる器興、華城、平澤の3キャンパスを結ぶ三角形の中心に位置し、地の利を生かした迅速な支援ができたため。しかし、世界的に1つの地域で半導体を製造するクラスタ化が進んでいることを踏まえ、同社の最先端DRAM、3D NAND、そしてファウンドリ(ロジック)生産を担当する平澤キャンパスの重要性が高まり、同組織の移転を手始めに、ほかの組織の配置も進められるとみられる。

歴史的にみると、同社の半導体製造の本拠地は器興→華城→平澤と移り変わってきた。平澤のP1とP2製造棟はメモリ、P3はGAAなどのファウンドリを担当。P4は元々のロジックから最先端メモリへと変更される予定で、P5は検討中だが、同社は平澤キャンパスを半導体の研究開発・前工程/後工程量産を1つに統合した半導体エコシステムの中心に据えようとしている模様である。

Samsungは12月17〜19日にかけて、全役員を招集した戦略会議を開催し、その中で半導体事業の戦略見直しも実施。韓国メディアによると、メモリの価格下落を踏まえた対策検討、HBM中心の生産再編、独自のファウンドリ戦略の立案、米国政府からの補助金確定後の生産計画再構築などについて議論されたという。

ファウンドリの新事業部長が2nmの歩留まり改善を最重要視

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