Ansysは、Texas Advanced Computing Center(TACC)の「NVIDIA Quantum-2 InfiniBand」でスケーリングされた320個の「NVIDIA GH200 Grace Hopper Superchip」を使用することで、流体シミュレーションソフトウェア「Ansys Fluent」によるCFDシミュレーションの実行時間を従来の4週間から6時間へと110倍高速に処理することに成功したと発表した。
大規模なCFDシミュレーションは、マルチフィジックスの相互作用や複雑なジオメトリ、および実データと一致させるための高解像度の結果が必要になるため、複雑な演算が行われる結果、処理を終えるまでに膨大な時間を要する。また、モデルを精細化すると、さらに実行時間が長くなるという課題があった。
その処理時間の長期化の解決にGPUのパフォーマンスが活用されるようになってきており、今回の取り組みもそうしたものの一環となる。具体的には、NVIDIAとの協業を通じて24億セルの自動車外部空力シミュレーションを、NVIDIA Quantum-2 InfiniBandによるマルチノードスケーリングを備えた320個のGH200 Grace Hopper Superchip上で実行。
その結果、同じ予測精度を維持しながらCFDシミュレーションを2048個のCPUコアを用いた場合と比べて110倍ほど高速化でき、約22万5390個のCPUコアと同等性能を達成できること、ならびに設計者は全体的なシミュレーション速度を犠牲にすることなく、より多くのパラメータを追加して精度を向上させることができることの2つの結果を得ることができたという。また、GPUの一般的な導入を使用している顧客のベンチマークデータによると、32GPUに拡張した場合、1つのNVIDIA GH200 Grace Hopper Superchipは約1408個のCPUコアと同等の性能を発揮することも確認したという。
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