全国の中学生が理科や数学などの知識や活用力を駆使して競う「第12回科学の甲子園ジュニア全国大会」が兵庫県姫路市で開かれ、茨城県代表チーム(県立日立第一高等学校附属中学校、県立並木中等教育学校)が優勝した。主催した科学技術振興機構(JST)が15日発表した。

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    優勝した茨城県代表チーム=15日、兵庫県姫路市

予選である都道府県大会には計2万5772人の生徒が参加登録。各都道府県で選抜された6人ずつが代表チームを構成し、計282人が全国大会に臨んだ。13日に開会式、14日に競技を実施。理科や数学などの複数分野に関する知識と活用能力を駆使し、さまざまな課題に挑戦した。筆記競技と2種目の実技競技の得点を合計した総合成績により、優勝は茨城県、2位は千葉県、3位は東京都代表チームに決まった。

共催する兵庫県教育委員会の村田かおり教育次長は15日の表彰式で「技術の進歩も早く変化の激しい現在、より良い社会の実現に向け主体的に仲間と協力し、課題を解決し、新たな価値を創造する力が求められている。皆さんが知恵や工夫を重ねて取り組んだ力が、次の世の中のエネルギーにつながっていく。本当に魅力のある大会になった」と呼びかけた。

来賓の阿部俊子文部科学相は「競技に挑んだ皆様に心から敬意を表したい。この経験は将来、さまざまな分野で活躍する際の支えになる。文科省は科学の楽しさ、面白さを体験し、科学を学ぶことの意義を実感できる機会を提供し、応援していく」と映像であいさつした。

2020年12月に予定された第8回が、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大を受け中止。翌年は各都道府県会場で筆記競技のみ実施した。22年の無観客実地開催を経て、前回ようやくコロナ禍前の通常プログラムに戻った。今年も会場の姫路市文化コンベンションセンター・アクリエひめじに多くの観客が来場。大会の模様はネットで中継された。開会式後、同市を拠点に活動するアイドルユニット「KRD8」がスペシャルライブを披露し、出場生徒らを歓迎した。

大会は高校生を対象とした「科学の甲子園」の中学生版。科学と生活のつながりに気付き、科学を学ぶことの意義や楽しさを実感できる場を提供しようと2013年に創設された。第13回は来年12月中旬、姫路市で開かれる。

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