スペースワンによるカイロスロケット2号機の打ち上げ結果を受け、京都・醍醐寺塔頭菩提寺が運営する宇宙寺院 劫蘊寺(ごううんじ)は12月19日、公式サイトに文書を掲載。「世界で初めて、大日如来と曼荼羅を宇宙空間まで運んだ」という“お墨付き”を宇宙宗教学研究会で得た、と発表した。
スペースワンはカイロス2号機の打ち上げ後の記者会見において、最高到達高度110.7kmを記録したものの、第1段エンジンのトラブルなどで当初想定していた軌道をそれたため、人工衛星の軌道投入というミッションは果たせず飛行中断措置という結果に終わったことを明らかにしている。
宇宙寺院 劫蘊寺ではこの結果を受け、「祈りを宇宙へ届ける挑戦と成果」と題した文書を公式サイトで公開。「皆様の供養や祈願といった思いを宇宙へ届けることができた。人工衛星としては機能しなかったものの、皆様の願いは確かに宇宙へ届いた。その思いに手を合わせていただければ、そこに皆様の祈りがあると感じてもらえるだろう」としている。
また、「本日(12月19日)、宇宙宗教学研究会において、宇宙関連の先生方より『世界で初めて、大日如来と曼荼羅を宇宙空間まで運んだ」という事実についてお墨付きをいただいた。この成果は、我々の活動にとって非常に意義深いものであり、皆様と共に成し遂げられた偉業といえる」とコメント。次の打ち上げに向けた準備も進めており、「今回搭載したデータを次回も同様に搭載し、皆様の祈りを再び宇宙へ届ける」とのこと。
宇宙寺院 劫蘊寺(ごううんじ)は、超小型衛星を開発するテラスペースがカイロス2号機に搭載した50キロ級超小型衛星「TATARA-1」の“寺院モジュール”として装備していたもの。同衛星にはほかにもJAXA追跡ネットワーク技術センターが開発した衛星レーザ測距用小型リフレクター「Mt.FUJI」など複数の機器を積んでおり、宇宙用部品等の軌道上実証を行う予定だった。